タイトル |
共同直売所の品揃えと値決めの特徴 |
担当機関 |
神奈川県農業総合研究所 |
研究期間 |
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研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
市街地に立地する優良な農産物直売所の売上伝票等から品揃えと値決めの方法を分析した。日頃の買い物に利用されるためには月間の品揃えが50種類程度必要であることと値決めには品目や直売所の特性に適合した一定のパターンがあることが分かった。
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背景・ねらい |
農産物の戦略的販売方式を確立するために市場外流通における販売方法を検討しているが、ここでは直売所の品揃えと値決めの特徴を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 2ヶ所の調査から、年間に取り扱う総品目数は約 160である。その内70%は青果物であるが漬物等の加工品も欠かせない品目で20~30%程度は揃えてある。
- 品目別売上額の上位はトマト、キュウリ、ホウレンソウ、ネギ等であり、総売上額に占める上位3品目のシェアは30%弱である。
- 取扱品目別売上額の多い順にみた累積シェア曲線とその順での数量(販売点数)累積シェア曲線はほぼ平行的に推移しており、低価格な多品目を多数販売している。(図1)
- 品目数の月別の変動は農家別に見ると大きいが、全体では50前後で安定している。(表1)
- 農家別の売上順位は出荷点数順位とほぼ一致しており高価格品目を特定農家が扱うなどの品目による偏在は見られない。
- 直売価格は代表者が卸売市場価格や近隣の小売価格を参考にしながら決めているが、その値決めは市中価格の影響を受けながらも立地条件や品目特性を反映した形になっており、幾つかのパターンに分類できる。(表2)
- 市場の価格変動が大きい品目は市場価格に数日のタイムラグをもって連動する(図2左)。
- 貯蔵性があるか連続供給がしやすい品目は、市場価格には追従しない(図2右)。
- 端境期が顕著な品目は走りが高値でその後漸次低下し、旬には一定価格で推移する。
- 市場と直売での規格差、品質差が明らかな品目は相対的に安い価格設定となっている。
- 適地適作や高い技術により品質に自信がある品目は相対的に高い価格設定となっている。
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成果の活用面・留意点 |
市街地に立地し日常の買い物で利用する直売所を前提としており、観光地等で立地条件が異なれば当てはまらない。品揃えは生産体制との関連が大きいことに留意する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
加工
きゅうり
出荷調整
トマト
ねぎ
ほうれんそう
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