牛の低品質胚の効率的培養法

タイトル 牛の低品質胚の効率的培養法
担当機関 山梨県酪農試験場
研究期間 1996~1997
研究担当者
発行年度 1997
要約 牛の卵回収時に得られる低品質胚(B、Cランク)の培養に還元剤であるベータメルカプトエタノールを0.2mM/ml添加することによって、その後の発育と凍結後の生存率が向上した。
背景・ねらい 牛の過剰排卵処理により回収される胚のうち低品質(B、Cランク)胚は総回収胚の1~2割程度を占める。これらの胚は通常の培養法では生存率が低く、また凍結融解後移植しても、受胎率が低いため、その多くは利用されることなく廃棄されている。
そこで、低品質胚を効率的に活用するために、還元剤で細胞増殖に対して促進効果のあるベータメルカプトエタノール(ベータME)を培養液中に添加して、培養後の発育および凍結後の生存性を検討した。
成果の内容・特徴
  1. 通常の過剰排卵により得られた黒毛和種の低品質胚を供試した。
  2. Ham'F-10に20%の子牛血清を加えた基礎培養液に各種濃度のベータMEを添加し、その後の発育および凍結融解後の生存性を観察した。
    なお培養は38.5℃,3.0%CO2の条件で24~48時間行った。
  3. 新鮮胚の培養において、胚盤胞への発育率は無添加区に比べベータME0.2mM添加で有意に高かった(表1)。
  4. 発育した胚を10%エチレングリコールを用いて凍結し、融解後の生存率を検討したところ両区間に有意差が認められた(表1)。
  5. 各試験区ともCランクに比べBランクでの発育率および生存率が高かった(図1.図2)。6.0.3mM濃度以上のベータME添加では、発育率および生存率が顕著に低下した(図1.図2)。
成果の活用面・留意点
  1. ベータMEは酸化されやすく、保存する条件あるいは培養液に添加する血清の種類の差により適正濃度が変化する可能性がある。
  2. 胚移植試験を実施し有効性を検定する必要がある。
図表1 215392-1.gif
図表2 215392-2.gif
図表3 215392-3.gif
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