| タイトル |
肉質が良く、立性のカラシナ新品種「さがみグリーン」 |
| 担当機関 |
神奈川県農業総合研究所 |
| 研究期間 |
1986~1997 |
| 研究担当者 |
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| 発行年度 |
1997 |
| 要約 |
神奈川県特産の浅漬け用ツケナを育成するため、「大山菜」と「晩生平茎大葉高菜」の交雑後代からカラシナ新品種「さがみグリーン」を育成した。「さがみグリーン」は従来のカラシナに比べて葉肉質がきわめて柔らかく、カラシナの辛味とタカナの香りを合わせ持ち、食味が良いとともに立性で収穫しやすいのが特徴である。
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| 背景・ねらい |
カラシナは浅漬けに適するツケナで、ツケナの中では唯一強い辛みを有する特徴があるが、肉質が粗剛である等の欠点があるため、一般的な漬け物としての消費が少なかった。そこで、カラシナの辛味、浅漬け特性を持ちながら、葉肉質が極めて柔らかく、葉色が濃く、食味の良い、新しいタイプのツケナ品種の育成を行なおうとした。
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| 成果の内容・特徴 |
- 育成経過
- 1987年に「大山菜」を母親に、葉肉質や耐寒性が優れる「晩生平茎大葉高菜」を父親として交配し、後代を自殖してF2の特性を調査した。その結果多数のF2個体の中で1個体が特に優れた形質を有していたため、以降はF2優良個体の後代を系統育種法により選抜した。1993年までに育種目標の形質を安定的に示すF6系統が得られたので、1994年に特性検定試験を行った。選抜した系統は葉肉質が非常に柔らかく、漬け上がりの色が良好であり、草姿が従来のカラシナ品種より立性で収穫しやすいこと等が確認されたため、1996年3月に種苗登録出願を行った(図1)。
- 特性
- 形態的特性:草姿は中で、他のカラシナ品種と比べて収穫しやすい。葉色はやや濃い緑で葉に光沢がある。葉面に発生する毛じがない(表1および表2)。
- 生態的特性:耐寒性は中で、寒さによる葉身の萎縮や葉面の着色は少ない。抽台は9月上旬まきで3月中旬頃である(表2)。
- 食味:葉肉の辛味はやや激で、葉肉質は柔らかく、漬け物での食味の評価が高い(表2)。
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| 成果の活用面・留意点 |
適応作型は秋まき栽培が適する。利用用途は浅漬け用の加工原料が望ましい。
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| 図表1 |
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| 図表2 |
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| 図表3 |
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| カテゴリ |
あぶらな
育種
加工
からしな
新品種
耐寒性
たかな
品種
良食味
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