タイトル |
簡易栄養診断によるシクラメンの2月播種5号鉢生産 |
担当機関 |
栃木県農業試験場 |
研究期間 |
1997~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
生育期間を通じて樹液中の各無機成分濃度を簡易栄養診断でチェックし、生育ステージ別栄養診断指標を基に管理すれば、2月播種で葉数100枚程度の良質な5号鉢シクラメンを生産することができる。
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背景・ねらい |
6号鉢用シクラメンの生育ステージ別栄養診断指標を昭和63年に明らかにしたが、生産現場では生育ステージを的確に捉えていないため、診断結果が必ずしも施肥管理に活かされていない。そこで、主芽発達期から開花期までの生育を葉枚数で捉え、診断結果に基づいた的確な栄養診断指標を検討するとともに、5号鉢生産における栽培期間の短縮を図る。
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成果の内容・特徴 |
- 側芽発達期(葉数7~20枚)の硝酸態窒素濃度が低下すると展葉スピードの鈍化が生じるので、側芽発達期の硝酸態窒素濃度は50~100ppmで管理する。また、同様に花芽分化期 (葉数20~40枚)の硝酸態窒素濃度が低下しすぎると展葉スピードの鈍化が生じるので、花芽分化期の硝酸態窒素濃度は10~25ppmを維持する(表1、図1)。
- 側芽の急激な発達により、側芽発達期前期のリン酸濃度がかなり低下する。目立った欠乏症状は観察されなかったが、生育に対し何らかの影響があることが否定できないので、側芽発達期以降のリン酸濃度は50~100ppmで管理する。また、花蕾発達期(葉数40~80枚)以降のリン酸濃度の低下により、生育・展葉スピードの鈍化、草姿バランスの悪化が生ずるので、花蕾発達期以降のリン酸濃度の維持(50~100ppm)に留意する(表1、図2)。
- カリウムについては、特段の欠乏状態は生じていないので、側芽発達期以降は1,000~1,500ppmで管理する(図3)。
- カルシウムについては、主芽発達期まで100ppm、側芽発達期以降は250ppmで管理する(データ省略)。
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成果の活用面・留意点 |
上記の改定指標以外のことについては、昭和63年に設定した6号鉢用指標に準ずる。すなわち、
- 樹液と鉢用土排出液の無機成分濃度のチェックは、最低でも週1回行う。天候不順の場合、過剰や欠乏による障害が出やすいので、こまめにチェックし、生育状況を考慮して早めに対応する。
- 花芽分化期は夏期にあたり、窒素を過剰吸収しやすいので、正常な花芽分化を促すため10~25ppmで管理する。
- 花蕾発達期の窒素過剰は奇形花発生を招くので、50ppmを上限とする。
- アンモニア態窒素は硝酸態窒素の概ね1/2以下、上限25ppmとする。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
栄養診断
シクラメン
施肥
播種
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