フェンロー型温室における温室メロンの高品質周年生産

タイトル フェンロー型温室における温室メロンの高品質周年生産
担当機関 静岡県農業試験場
研究期間 1997~1998
研究担当者
発行年度 1998
要約 施設建設費が安価で大規模化が可能なフェンロー型温室を温室メロン栽培用に改善(東西棟、散光ガラス、隔離床の平面配置等)し、自動かん水等の各種省力機器を組み合わせることで、従来の約1/2労働時間で、従来のスリークォータ温室と比較して遜色のない高品質メロンの周年生産が可能である。
背景・ねらい 高品質な温室メロンを周年生産するには、1棟約 150m2前後の小規模なスリークォータ温室でないと不可能と考えられていたが、今後、競争力のあるメロン生産を行うためには、静岡独自の高品質を維持したうえで、低コスト・省力生産技術システムを確立することが要望されている。そこで、施設建設費が安価で大規模生産が可能なフェンロー型温室を用いて、自動かん水等の各種省力機器を組み合わせた温室メロン生産システムを検討する。
成果の内容・特徴
  1. 温室メロン生産を行うには、フェンロー型温室を東西棟とし、樋などの水平材や北側屋根面による影の集中化を防止するため、散光ガラス(型板ガラス、カスミ)を使用し通路幅を10cm程度広げる(表1)。さらに、内部カーテンは東西引きの分割収納方式を採用することで、冬期の光線透過量をスリークォータ温室の5~10%前後の減少までに 近づけることができる(データ省略)。
  2. 自動かん水装置や作業台車の利用、コンピュータによる自動温度制御などの省力技術をシステム化することで、作業時間は慣行の約1/2に省力化が可能である(表2)。
  3. 通路部分のコンクリート舗装と隔離床を平面配置し、強化した隔離床側面をレールとして利用した運搬作業台車を使用することで、作業しやすさや快適化に役立つ(表1)。
  4. 温室メロンは周年にわたって、ほぼ連続的に収穫することが求められるため、定植時期をずらしたブロックローテーションを行わなければならない。フェンロー型温室では、夜間に温室内をビニルカーテンで仕切ることで、生育状況に併せた温度管理が可能であり、大規模温室で生育ステージが異なる栽培を同時に行うことができる(表3)。
  5. メロン用に改善されたフェンロー型温室と各種省力機器を用いた場合においても、本県の温室メロンが目標とする1果重1500g前後で、上位階級(静岡県温室メロンの出荷基準のうち富士・山に相当するもの)比率が一般栽培農家の平均的数値を10%程度上回る、50%以上の高品質メロンの周年生産が可能である(表4)。
成果の活用面・留意点
  1. 温室内にステージの異なる作付けを行う場合には、病害虫(ミナミキイロアザミウ)の防除が難しくなりやすいので、早期防除を徹底する。
図表1 215775-1.gif
図表2 215775-2.gif
図表3 215775-3.gif
図表4 215775-4.gif
カテゴリ 病害虫 温度管理 害虫 栽培技術 出荷調整 省力化 大規模化 低コスト 防除 メロン

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