タイトル |
山梨県における宅配便産直農家の顧客特性 |
担当機関 |
山梨県総合農業試験場 |
研究期間 |
1998~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
事例調査を通じて、果実の宅配便産直における顧客の特性を整理したところ、大規模農家の顧客は県外在住者が中心で一人当たり購入金額が少なく、再購入する頻度が低い。また、販売規模が小さくなるに従って県内顧客の比率が高まり、一人当たり購入金額は多く、再購入する頻度も高くなるなどの傾向が見られた。
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背景・ねらい |
物流手段として宅配便を使用した消費者との直接取引(宅配便産直)は、青果物においても広く行われているが、顧客の特性などの内容はほとんど知られていない。そこで、事例調査から宅配便産直農家での取引実態を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 農家Aの販売規模は、山梨県内での宅配便産直としては大規模層に属している。この農家の顧客の87%は関東地方を中心とする県外に居住し、46%が広告やDM等の販促活動を契機に商品を購入している。一人当たりの購入金額は 5,000円未満の階層が47%で、商品の購入頻度は3年間で1回購入する客が53%であった。
- 農家Bは、販売規模で中規模層にあり、顧客の居住地域は県外が71%、商品の購入契機は口コミの比率が高かった。商品の購入パターンでは、贈答用を主な目的とした購入金額 5,000円以上の階層が85%で、3年のうち毎年または隔年で購入している顧客の比率が52%であった。
- 農家Cは、小規模層に属しているが、顧客の居住地域は県内が約半数を占め、園主の知人関係を契機とした顧客が54%である。また、92%の顧客が贈答用を目的として複数個の商品を購入し、約50%の顧客と継続的な取引があった。
- 以上の結果をまとめた表4を見ると、販売規模が大きい農家の顧客は県外比率が高い、自家消費を中心としているため購入金額は少ない、再購入する頻度が低いなどの特徴があり、取引顧客の内容は常に変化している。一方、農家規模が小さくなるに従って県内顧客の比率は高まり、贈答用の購入が増えることから顧客当たり購入金額も多く、再購入の頻度も高いなど、取引顧客層が固定的になる傾向が見られた。また、販売規模の差によって、商品の購入契機にも違いが見られた。
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成果の活用面・留意点 |
宅配便産直の特性分析を行う上で基礎資料の一つとして活用できる。今回調査した3事例による結果であり、一般化するには詳細な要因の解析を要する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
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