ササニシキ多系品種の葉いもち発病におけるバリヤー効果と誘導抵抗の抑制程度

タイトル ササニシキ多系品種の葉いもち発病におけるバリヤー効果と誘導抵抗の抑制程度
担当機関 愛知県農業総合試験場
研究期間 1998~2000
研究担当者
発行年度 1998
背景・ねらい 同質遺伝子系統を混植栽培する多系品種は、異なる真性抵抗性を利用してイネいもち病を効果的に防除でき、減農薬の環境保全型栽培として期待されている。ササニシキ多系品種は実用化されているが、混植によるバリヤー効果、誘導抵抗の発現程度は、明らかになっていない。そこで、真性抵抗性遺伝子Pii、Pikを有するササニシキ同質遺伝子系統を混植し、バリヤー効果、誘導抵抗の発現程度、発現条件をPii系統の発病で検討する。
成果の内容・特徴
  1. バリヤー効果は、罹病性系統(Pii系統株)に抵抗性系統(Pik系統株)を混植すると発現
    し、罹病性系統を抵抗性系統の中に点在させ1:3に混植した点混区は、罹病性系統の発病を63%抑制した。罹病性系統、抵抗性系統を条毎に交互に配置し1:1に混植した条混区は、点混区に比べ発病抑制程度は小さかった(図1、図2)。
  2. 非親和性レースの分布により発現する誘導抵抗は、罹病性系統(Pii系統株)に非親和性
    レースを伝染源として設置した区で発現し、その発病抑制程度は点混区で49%、条混区で20%であった(図2)。
  3. 誘導抵抗は混植方法でなく非親和性レースの分布率に依存し、誘導抵抗を発現した点
    混区では非親和性レース分布率が19%、条混区では11%高くなっていた。誘導抵抗の発病抑制程度は、非親和性レース分布率が高いほど大きくなる(表1)。
  4. バリヤー効果及び誘導抵抗を併せた発病抑制程度は、点混区で82%と大きかったが、
    抵抗性系統が50%の条混区では、バリヤー効果が十分発現されず、発病抑制程度は21%であった。
  5. 以上のことから、多系品種の混植栽培におけるいもち病の発病抑制は、バリヤー効果
    によるところが大きいが、非親和性レースの分布に依存して誘導抵抗も発現する。
成果の活用面・留意点
  1. 非親和性レースを分布させるには、このレースに対する罹病性系統が必要であり、混
    植全体での発病を軽減できる混植率を考える必要がある。
  2. 抵抗性系統のみの混植でなく、罹病性系統をある程度加えた混植栽培に活かせる。
図表1 215873-1.gif
図表2 215873-2.gif
図表3 215873-3.gif
カテゴリ 病害虫 いもち病 抵抗性 抵抗性遺伝子 農薬 品種 防除

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