キクの幼若性の早期検定法及びロゼット性の簡易検定法

タイトル キクの幼若性の早期検定法及びロゼット性の簡易検定法
担当機関 愛知県農業総合試験場
研究期間 1999~2000
研究担当者
発行年度 1999
要約 幼若性の弱いキクを育種の初期段階で選抜するには、実生世代において20~21節以内で花芽を分化する個体を選べばよい。ロゼット性は、冬期の自然低温に20日間遭遇させた後、花成を誘導する条件で花芽分化の有無を指標に用いて検定できる。
背景・ねらい キクの一斉収穫を可能にするには、生育や開花のばらつきをできるだけ小さくしなければならない。そのためには、遺伝的に幼若性及びロゼット性の弱い品種を育成する必要がある。そこで、幼若性についてはできるだけ早期に検定するため、実生世代の花芽分化節数で栄養繁殖世代の幼若性を推定できるか否かを検討する。また、ロゼット性については簡便に検定するために、自然の低温に遭遇させた後の花成反応の有無を判定基準に用いる方法を検討する。
成果の内容・特徴
  1. `91-SS-3-301'(幼若性中)、`スワン'(幼若性弱)、`精雲'(幼若性中)の3品種を種子親として放任受粉によって得られた100個体の実生について花芽分化節数(短日処理後花芽が分化するまでの節数)を調べると、実生世代の花芽分化節数と栄養繁殖世代の花芽分化節数との間に1%の危険率で有意な相関関係(r=0.525)が認められる(図1)。`銀峯'×`サマーイエロー'の組み合わせで到花日数との関係をみると、花芽分化節数が22以上の実生個体は開花が遅れる(図2)。以上の結果から、実生世代の花芽分化節数で幼若性を推定することが可能であり、21節以下の節数で花芽が分化する個体を選抜すればよい。
  2. 自然の低温遭遇期間を0~60日間としてその後に花成を誘導すると、低温20日間区で花成が誘導されずロゼット状の生育を示す品種が最も多くなる(表1)。20日間区でロゼット化しない品種は、他の区でもロゼット化しない。したがって、低温に20日間遭遇させるのがロゼット化を最も誘導しやすい条件であり、この条件でロゼット性の強弱が検定できる。
成果の活用面・留意点
  1. ロゼット性の強い実生個体は花芽分化節数が増加するので、幼若性を推定できない場合がある。
  2. ロゼット性の検定について本試験では、花成誘導処理3週間後に発蕾の有無を調査したが、寒ギクタイプ(寒山陽など)は適温下でも3週間では発蕾しないので調査時期を遅らせる必要がある。
図表1 216085-1.gif
図表2 216085-2.gif
図表3 216085-3.gif
カテゴリ 育種 簡易検定法 きく 受粉 繁殖性改善 品種

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