タイトル |
トマト及びピーマン黄化えそ病の発生実態と防除対策 |
担当機関 |
千葉県農業試験場 |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
トマト黄化えそウイルス(TSWV)によるトマト及びピーマンの黄化えそ病はアザミウマ類(特にミカンキイロアザミウマ)を低密度に保ち、ハウス周辺の雑草除去及びTSWVの感染しやすい野菜,草花を圃場周辺に植え付けないことによって防除できる。
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背景・ねらい |
1995~1996年に千葉県内のトマト及びピーマン圃場で黄化えそ病が発生した。そこで,本病の生態を明らかにし,防除対策を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 黄化えそ病が少発生のときはミカンキイロアザミウマの保毒率は極めて低いが、甚発生では最高16%が保毒虫であった(表1)。
- 場内の隔離ガラス室でミカンキイロアザミウマの保毒虫を接種吸汁させたところ、ピーマンでは接種9株のうち3株が発病したが、同一ハウスの無接種9株では全ての株は発病しなかった(表2)。ミカンキイロアザミウマは接種後数回,僅かに捕捉されたが,増殖はしなかった。
- 1997、1998年の両年に抑制トマトで黄化えそ病が多発した「圃場1」周辺では、1998年3~4月にホウレンソウ,カラシナ,ナデシコなどでTSWVが確認され(表3)、ホウレンソウに寄生していたアザミウマ類56頭のうち1頭が保毒虫であった。一方、1997年にトマト黄化えそ病が中発生し,1998年は無発生であった「圃場2」周辺からは,1997年11月~1998年7月にTSWVは全く検出されなかった。
- 1997年および1998年にピーマン黄化えそ病が多発生した半促成栽培シシトウの「 圃場3」周辺では1997年9~10月にはスベリヒユなどで、翌年の3~5月にはホウレンソウ,タマネギなどでTSWVが検出された(表4)。1996年にピーマン黄化えそ病が多発生,1997年に僅かに発生し,1998年には無発生の「圃場4」周辺では、1996年10月~1997年4月にインゲンなどからTSWVが検出されたが,その後,TSWVは検出されなかった。
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成果の活用面・留意点 |
- アザミウマ類は以下の組み合わせで防除する。紫外線除去フィルムの展張。ハウスの開口部を被覆資材で被覆。天敵昆虫(ククメリスカブリダニ,ナミヒメハナカメムシ)の放飼。圃場内外の除草。薬剤防除(ルフェヌロン乳剤,クロルフェナピル乳剤等)。
- TSWVは多犯性で,上記の他,レタス,シクラメン,ニューギニア・インパチェンス,トルコギキョウなど多くの植物で被害が発生しているため,前述の防除対策を講ずる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
インパチェンス
黄化えそ病
カメムシ
からしな
雑草
シクラメン
ししとう
除草
たまねぎ
トマト
トルコギキョウ
なでしこ
ピーマン
防除
ほうれんそう
薬剤
レタス
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