TDR水分計による家畜生ふんや堆肥の迅速水分計測法

タイトル TDR水分計による家畜生ふんや堆肥の迅速水分計測法
担当機関 愛知県農業総合試験場
研究期間 1999~2001
研究担当者
発行年度 1999
要約 家畜生ふんや堆肥の山にテフロン・コーティングした2本のロッドを持つTDR水分計センサとペンシル型の4電極EC計センサを直接差し込み、それぞれの検量線より生ふんや堆肥の水分を現場で簡単、即座に計測できる水分計法を開発した。
背景・ねらい 家畜生ふんや堆肥の水分を知ることは、堆肥化過程でオガクズや戻し堆肥等の水分調整材を混入して発酵させるのに重要であるが、簡単に計測できる良い方法がなかった。そこで、家畜生ふんや堆肥の山にTDR水分計センサと4電極EC計センサを差し込むだけで、その水分を現場で、正確、簡単、即座に計測できる「TDR水分計法」を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 生ふんの水分の検量線の作成は、供試生ふんを一旦風乾した後バット中に広げ、定量づつの水を加えて良く撹拌し、5cmの高さから5回落下させる落下法によって直径15cmの容器に35cm以上の高さになるように充填し、その重量、体積、TDR水分計と4電極EC計の測定値から求める。また、現場での生ふんや堆肥の水分の検量線は、生ふんや堆肥の山にTDR水分計センサと4電極EC計センサを直接差し込んで計測し、1000cc又は2000ccの採土管で試料を採取して105゜C、24時間乾燥によって水分を求める。
  2. TDR水分計センサ(CS615)はECの影響を非常にうけるので、異なる濃度の水溶液にセンサのロッドを漬けて求めたECによる補正係数を使用する(図3)。裸センサは、高水分域において判別できないが、センサのロッドをテフロンでコーティングすることによって、EC値の非常に高い生ふん(図2)や堆肥の高水分域でも安定的に計測できる(図1)。EC補正した牛・豚・鶏の家畜生ふんや堆肥の検量線を用意する(図4)。
  3. 牛・豚・鶏ふん、コンポスト、発酵鶏ふん別の検量線によって、TDR測定値と4電極EC値から、±0.03cm3/cm3以内の差で生ふんや堆肥の体積含水率が測定できる。
  4. 従来表示の水分率(%)は、体積含水率(cm3/cm3)より換算できる(擦切り重量法参照)。
  5. 牛ふんにオガク等の敷料が混入されていても、牛ふんの検量線への影響は小さい。
成果の活用面・留意点
  1. TDR水分計法はTDR水分計と4電極EC計とを併用して測定する。
  2. TDR水分計と4電極EC計の測定は各5回とし、中3つの平均値を用いる。
図表1 216169-1.gif
図表2 216169-2.gif
図表3 216169-3.gif
図表4 216169-4.gif
カテゴリ 乾燥

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