タイトル |
被覆尿素肥料全量基肥の連年施用によるいちじくの生産 |
担当機関 |
愛知県農業総合試験場 |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
いちじくの露地栽培において、被覆尿素肥料を全量基肥として5年間連用したところ、樹体の生育は慣行の分施と同等であるが、収量は2年目以降からは全量基肥が勝る。
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背景・ねらい |
いちじくの収穫は8月上旬から10月下旬までと長期間に亘り、その間の樹勢を維持させるため、追肥の回数が多い。慣行分施法では窒素施用総量は20kg/10a程度であるが、基肥のほか、6~10月に追肥が5回以上施用されている。しかし、収穫期間中は収穫、出荷調整等の作業が集中することから、労力の余裕が少なく、追肥回数の削減が求められている。そこで施肥作業の省力化を目指し、被覆尿素肥料を全量基肥として連年施用の影響を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 全量基肥は窒素源としてLPS100号とLP50号(4:1)を用い、3月上旬に全量施用する。窒素施用総量は20kg/10aとする。なお、供試ほ場の土壌は細粒黄色土であった。
- 5年間の月別収量を比較すると、初年度の7~8月収量は慣行分施区でやや多いが、総収量は施肥法による差は見られない。2年目以降の収量は全量基肥区が多くなる。生育期が高温で経過した1998年度にはいずれの施肥法でも初期収量が多いが、全量基肥区でその傾向が顕著で、7~8月収量は初年度の4倍以上、総収量は33%増となった(図1)。
- 5年目の1999年度の収量では全量基肥区は初期収量が多く、1果重も慣行分施区より重くなる傾向が見られる(図2)。
- 幹周の肥大は施肥法による差は見られないが、結果枝径は低温寡日照の1996年度及び6月~7月に3回の台風の襲来を受けた1997年度の気象不良年で全量基肥区が太い傾向である(図3)。
- 生育期間中の葉中窒素含量は、全量基肥区は慣行分施区に比べてやや多いか、同等である(表1)。
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成果の活用面・留意点 |
- いちじく栽培における施肥作業の省力化と収量増加が期待できる。
- 施肥方法は表面施用でよいが、乾燥防止のために必ず敷きワラを行う。
- 窒素施用量は慣行に準ずるが、樹勢及び土壌条件により調節することが必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
いちじく
乾燥
出荷調整
省力化
施肥
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