タイトル |
個別大規模稲作経営における雇用導入や法人化に対応した労務管理 |
担当機関 |
茨城県農業総合センター農業研究所 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
2000 |
要約 |
個別大規模稲作経営の労務管理は、共通して労働者の安全確保に配慮している。臨時雇用導入経営では労災保障し、作業管理等で労働能率向上を図っている。常雇導入経営では、動機付けや他産業を意識した労働条件等で雇用の確保・長期化を図っている。さらに、法人化により管理は意識され充実される。
|
背景・ねらい |
水田地帯の個別大規模経営は雇用労働力を多く導入して成立しており、雇用管理が必要となっている。一方、家族協定等を通じ、家族労働力の労働条件整備も進められている。そこで、稲作経営を対象に、労働力構成・企業形態別に見た労務管理内容を明らかにする。
|
成果の内容・特徴 |
- 雇用なし経営は経営規模約10haで、臨雇導入経営は規模拡大が進み経営規模約20haである。常雇導入経営は経営規模30ha以上、作物数、事業部門数3以上で、規模拡大と共に複合化、部門結合が進む。さらに法人は、生産以外部門を重視している(表1)。
- 全体を通して労働災害の防止の実施率が高く、農作業の安全確保を行っている。雇用導入経営では、さらに労災保険等に加入して労災保障を行っている(表2)。
- 家族労働力への給与条件は、特に法人経営で意識され、充実している。雇用労働力への給与条件は、臨雇導入法人経営と常雇導入経営で労働能率が考慮され、部門結合が進む常雇導入経営ではさらに他産業も考慮されて、雇用確保への配慮が見られる(表2)。
- 就業時間の設定は雇用導入経営で共通して行われ、労働者を統率して労働能率の向上を図っている。休日の設定は労働力量の多い常雇導入法人経営で行われ、休日制度の充実に労働力量が影響すると考えられる(表2)。
- 動機付けは、基幹労働力としての常時雇用が導入されている経営で行われ、労働意欲の向上と人間関係の円滑化による雇用の長期化が図られている(表2)。
- 作業管理は、雇用導入経営で共通して行われ、労働能率の向上を図っている。さらに臨雇導入法人経営では、作業分担の明確化、作業確認も行われ、作業管理が充実している。作物数、事業部門数の多い常雇導入経営では、作業の専門化を強化している(表2)。
|
成果の活用面・留意点 |
- アンケートは、県稲作経営者会議所属農家及び農業改良普及センターより担い手として選出された個別大規模稲作農家169戸に送付した。回収率は60%。
- 常雇3人未満の個別大規模稲作経営が対象である。
|
図表1 |
 |
図表2 |
 |
カテゴリ |
規模拡大
経営管理
作業管理
水田
大規模経営
|