タイトル | 水稲の群落葉色計測システム |
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担当機関 | (独)農業技術研究機構 中央農業総合研究センター |
研究期間 | 1998~2002 |
研究担当者 |
安田伸子 亀川健一 佐々木良治 柴田洋一 松村修 杉本光穂 大嶺政朗 中島敏彦 帖佐直 鳥山和伸 |
発行年度 | 2001 |
要約 | 群落葉色計測システムは、2波長の反射率比から隔測で葉色を求める群落葉色計を短時間で自動計測・出力・記録・解析できるよう改良したシステムである。その測定値は、市販の接触式葉緑素計と高い相関があり、生育情報取得に有効である。 |
背景・ねらい | 葉色は、水稲の生育状態を知る上で最も重要な情報のひとつであり、これにより窒素栄養状態を把握し、施肥計画に利用されている。現状では、葉色測定手段として、2波長の光の透過率比から葉緑素濃度を算出する接触式葉緑素計が用いられているが、葉を一枚ずつ挟む必要があるため能率が劣り、大区画圃場全体の傾向を捉えることは困難である。そこで、農研センター(現中央農研)が開発した太陽光と水稲群落に反射する2波長(550nm,800nm)の光量比から葉色計測する群落葉色計を改良し、短時間で自動計測・記録できる計測システムの開発を図る。 |
成果の内容・特徴 | 1. 群落葉色計測システムは、群落葉色計にオートトリガ、外部出力回路および記録・解析用コンピュータなどを付加したシステムで、約0.7秒間隔で自動計測・出力・記録・解析が可能である(図1および図2)。群落葉色計本体は重量約900g、全長約21cmで、電源は9V乾電池1本を用いる。 2. 群落葉色計の測定値は接触式葉緑素計(SPAD-502)の測定値と高い相関を示し、広範囲の葉色を短時間で大量に測定できる(図3)。最適な計測条件は照度50,000lx以上(日中晴天時に相当)、順光、地上高約1.5m(立位計測に相当)、測定群落までの距離は約5mである。 3. 記録・解析用プログラムは、データのグラフ表示や自働計測・記録機能の他に、サンプル番号付加機能、平均値やヒストグラムの算出・表示機能などを装備し、Windows95/98/200に対応している(図2)。また、PDA(WindowsCE)用の簡易版計測プログラムもあり、一人で本システムを携帯して自働計測・記録することが可能である。 4. 本システムによる測定値から大区画水田における一圃場内の葉色マップが作成でき,目視では判別が困難な葉色ムラを確認することができる(図4)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 本システムは小型で携帯可能であり、容易にトラクタなどにも搭載できることから、局所栽培管理の基盤技術として活用できる。 2. 測定精度が低下するので、測定視野の大部分を土壌や水が占めないように注意が必要である。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
カテゴリ | 栽培技術 自動計測 水田 水稲 施肥 |