GnRH製剤投与により誘起した卵胞発育波での過剰排卵誘起

タイトル GnRH製剤投与により誘起した卵胞発育波での過剰排卵誘起
担当機関 新潟農総研
研究期間 2000~2002
研究担当者 佐藤太郎
中田健(酪農学園大学)藤原信子
梅田雅夫
木村仁徳
発行年度 2002
要約 発情後6日目にGnRH (酢酸フェルチレリン) 25μg投与によりあらたな卵胞発育波を誘起し、その2.5日後から過剰排卵処置を行うことで、採胚成績が向上する。
キーワード GnRH、過剰排卵、卵胞発育波、酢酸フェルチレリン、胚生産
背景・ねらい 過剰排卵誘起処置 (SOV)ホルモン剤に対する反応性は、個体差が大きく安定しない。近年、発情周期中に2~3回の卵胞発育が繰り返される卵胞発育波(FW)の存在が明らかとなり、SOV開始時に存在する主席卵胞(DF)が他の卵胞の発育に影響を及ぼし、採胚成績を左右することが知られている。そのためFWを人為的にコントロールした後、SOVを開始することが採胚成績の向上につながると考えられている。そこで我々はGnRH製剤投与により誘起したFWでのSOVの方法の確立をめざした。
成果の内容・特徴 1.
過剰排卵スケジュールは図1に示した。発情周期6日(発情日=0)にGnRH製剤(酢酸フェルチレリン)100
μg、50μgおよび25μgを投与した結果、それぞれの投与量でDFの排卵を誘起でき、GnRH投与後36~60時間目から超音波画像で卵胞の発育が確認された(図2)。
2.
FSH投与に伴い各区で卵胞の発育が観察され、人工授精(AI)12時間前には多数の発育した卵胞が確認され、AI後24時間目には大部分の卵胞が排卵した(図2)。
3.
採胚成績は表1に示すとおり、25μg投与でのみ正常胚の回収数が増加し、一般的に行われているSOVよりも多くの正常胚を回収することができた。
4.
以上の結果から発情後6日に25μgのGnRHを投与し、その60時間後からSOVを開始することにより胚生産効率を向上できる。
成果の活用面・留意点 1.
25μgのGnRHは少量であるため、ツベルクリン用の注射筒と21G針を用い確実に投与する。
2.
全く過剰排卵処置に反応しない牛あるいは正常胚が全く回収できない牛に対して、100%効果を期待できるものではなく、そのような牛に対する効果的な方法の検討も必要である。
3.
GnRH投与量による、下垂体内のLH含有量、LHパルス状分泌様式の変化について今後十分な検討が必要である。
図表1 217058-1.gif
図表2 217058-2.gif
図表3 217058-3.gif
カテゴリ くり

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