棚田オーナー制度の展開方向に関するオーナー評価

タイトル 棚田オーナー制度の展開方向に関するオーナー評価
担当機関 三重科技
研究期間 2000~2002
研究担当者 大泉賢吾
発行年度 2002
要約 棚田オーナー会員の主体的参加による同制度の展開方向をコンジョイント分析で検討した。オーナー重要度は会費が36.1、稲作地域文化保存活動が27.4と高い。展開方向では、「会費4万円で稲作地域文化保存活動プログラム有り」の組み合わせの価値が5.0で、現行内容(会費3万円)の4.4より高く、会費を上げてもオーナー満足度は高まる。
背景・ねらい 我が国農業の歴史・文化的遺産である棚田は、観光・地域交流の資源としても注目され、オーナー制度への取り組みが行われている。現行制度の発展に限界感を持つ三重県紀和町丸山千枚田を対象に、棚田が持つ自然、文化、景観・環境などのサービス機能及び地域の農産物提供を組み合わせた新たなオーナー制度を考案し、コンジョイント分析の適用によってその有効性と最適組み合わせモデルを明らかにする。
成果の内容・特徴 1.
分析に用いた要素は、現行制度とオーナー会員のアイデアなどを生かす4種類の主体的参加システム及び会費3万円(現行)、4万円、5万円とする(表1)。
2.
この要素(5属性、2~3水準)を直行配列によって8種類に組み合わせ、アンケートに記載した組み合わせ説明図の選択順位を基に、各要素の重要度と組み合わせ価値を解析する。
3.
オーナーの重要度は、「千枚田オーナー会費(水準3~5万円)」が36.1と最も高く、次いで「稲作地域文化保存活動」が27.4となり、会費を考慮しながら稲作地域文化保存活動に重点を置くオーナー制度が効果的展開方向であることが明らかになった(図1)。
4.
各要素を様々に組み合わせて、その全体価値をシミュレーションすれば、オーナーにとって価値が高く棚田運営主体が取り組みやすい制度の展開方向が選択できる。即ち、オーナー・運営主体ともに満足する運営方法が明らかになる。1属性だけ新たな取り組みを行い会費を4万円に上げたケースである図2のA、B、C、Dの事例では、Bの地域稲作文化保存活動の価値5.0だけが現行オーナー制度の全体価値4.4を上回り、これ以外は会費を4万円するとオーナーの享受する価値が低下することが明らかになった。さらに、A+Bの事例(自然満喫自由活用スペース+稲作地域文化保存活動+会費4万円または5万円)では、会費4万円の全効用は5.8と高くなるが、会費5万円では現行とほぼ同じ4.5になり、この組み合わせでは会費を5万円に上げるとオーナーの価値を増加させることができないと解析される(図2)。
成果の活用面・留意点 1.
三重県紀和町丸山千枚田の分析事例であるが、現在ほとんどの棚田オーナー制度が同様の取り組みを行っていることから、展開方向の考え方、分析枠組み、そのシミュレーションは他の地域でも活用できる。
2.
回答者の負担軽減と実用性から直行配列による属性と水準の組み合わせを採用することになるが、現実の妥当性を検討する必要がある。今回の分析では、明らかに最下位の順位になる1組を除いた7組み合わせとし、回答者の負担を軽減して解析している。
図表1 217105-1.gif
図表2 217105-2.gif
図表3 217105-3.gif
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