タイトル | 整せん枝による炭疽病とチャノミドリヒメヨコバイの発生抑制効果 |
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担当機関 | 埼玉県農林総合研究センター |
研究期間 | 1998~2002 |
研究担当者 |
小俣良介 |
発行年度 | 2003 |
要約 | 一番茶収穫後に浅刈りを実施し、8月上旬に三番茶芽の上位3葉を整枝すると、越冬前の炭疽病及びチャノミドリヒメヨコバイの発生を抑制することができる。また、二番茶摘採後の8月上旬までに浅刈りを実施することによっても同様の効果がある。 |
キーワード | チャ、総合防除、整枝、炭疽病、チャノミドリヒメヨコバイ |
背景・ねらい | 化学合成農薬に替わる病害虫発生抑制手段として耕種的方法である整せん枝の効果を検討する。特に、生物的防除法の少ない炭疽病とチャノミドリヒメヨコバイの発生にどの程度抑制効果があるかを検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 「一茶後浅刈り+8月整枝」及び「二茶後浅刈り」は、越冬前の炭疽病の発生が少ない(図1、2)。 2. 越冬前のチャノミドリヒメヨコバイの生息密度は「一茶後浅刈り+8月整枝」では慣行防除より少なく、「二茶後浅刈り」は、慣行防除とほぼ同程度の生息密度である(図3)。 3. 一茶後浅刈りによる1m2当たり収量は、処理1年後の一番茶では慣行と差はなく、二茶後浅刈りは25%減となる(図4)。2年連続して「一茶後浅刈り」を実施すると翌年一番茶収量は20%減となる。 4. 上記2方法の結果は各処理後の防除は実施しない条件下のものであり、物理的防除法として利用できる。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 「一茶後浅刈り+8月整枝」は、一番茶摘採後に摘採面下10cm弱程度(成葉の残っている状態まで)を除去する浅刈りを実施し(「一茶後浅刈り」)、さらに、その後の伸長した新梢を8月上旬に上位3葉程度を整枝する。 2. 「二茶後浅刈り」は、二番茶収穫後の8月上旬に浅刈りを実施する。 3. 各整枝処理の収量等への影響は茶園の状況や気象条件等により大きく異なる場合があるので、急に大規模に導入しない。 4. チャドクガ等の病害虫の多発生が生じた場合はすみやかに薬剤防除を実施する。 5. 「一茶後浅刈り」を実施すると、二番茶はほとんど収穫できない。 6. 「二茶後浅刈り」は、処理後の秋期が高温に経過して葉の硬化が遅れた場合、ハマキムシ類の幼虫やハダニ類の発生が多くなることがあるので注意する。 7. 「二茶後浅刈り」の時期の限界は8月上旬までと考えられる。実施時期は早いほど茶園に与える影響は少ない。「二茶後浅刈り」は樹勢の強い茶園等に導入する。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
図表5 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 害虫 生物的防除 炭疽病 茶 農薬 防除 薬剤 |