タイトル | 重粘土転換畑への野菜導入のための作業システム |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 中央農業総合研究センター |
研究期間 | 1997~2003 |
研究担当者 |
塩谷幸治 吉田修一郎 高橋智紀 細川 寿 松崎守夫 足立一日出 |
発行年度 | 2003 |
要約 | 重粘土転換畑の本暗渠の中間に浅層暗渠を施工し、畝下深耕型の耕うん同時畝立て作業機と搬出や薬剤散布等の汎用作業が行えるクローラ運搬車を導入する作業システムである。排水性の改善等により収量が増加し、作業能率の向上による面積拡大により収益が増加する。 |
キーワード | 重粘土転換畑、野菜、浅層暗渠、耕うん、クローラ運搬車、キャベツ |
背景・ねらい | 北陸地域では重粘土が広く分布しているため、転換畑で野菜を栽培する場合には湿害が問題である。とくに、転換初期には湿害が発生しやすく、野菜等の収量低下に加えて耕うん時の砕土性低下、搬出等の作業能率低下等が問題となっている。 そこで、排水不良の重粘土転換畑に対応した排水技術と作業技術を開発するとともに、これらを組み合わせて導入した場合の経営的な効果を明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. 本技術は、排水性改善のための浅層暗渠、砕土性を改善する耕うん作業機、走行性を改善して作業能率を向上させるクローラ運搬車汎用利用技術を導入し、重粘土転換畑で野菜を栽培する体系である(表)。 2. 本暗渠の中間の位置に本暗渠と平行して深さ約40cmに浅層暗渠(図1)を敷設することにより、転換初期の排水性が改善される。浅層暗渠を春に施工すると施工年の秋からその効果が発現し、キャベツ、大豆や大麦等の収量が増加する(H13成果情報)。 3. アップカットロータリの耕うん軸を改良し、畝の部分は標準の爪、畝間には約7cm短い爪を畝中心に土が移動するように取り付けることにより、畝下深耕型の耕うんと畝立てを一工程で行うことができる(図2)。これにより、別工程作業に比べて作業時間が短縮されるとともに、畝内の土壌水分が低下し、キャベツ収量が約10%増加する(H11成果情報)。 4. クローラ運搬車に除草剤や防除等の薬剤散布用のノズル、畝間除草剤散布等を取り付けることにより、搬出作業と管理作業の高能率化を図ることができる(図2、H12成果情報)。 5. 新技術を導入することにより、収量増効果(収穫率64→85%)と作業時間短縮(134→106h/10a)による面積拡大効果(171a→200a)とにより、所得が増加する(図3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 本成果は、新潟県上越市の重粘土転換畑(LiC)で行った試験結果である。 2. 浅層暗渠の施工は、細溝型オーガトレンチャーや通常のトレンチャー等の営農的な方法での施工が可能である。 3. 経営評価の詳細については、平成13年度総合研究成果情報を参照のこと。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 大麦 キャベツ 経営管理 湿害 除草剤 大豆 排水性 防除 薬剤 |