タイトル | 静岡県でのメロンモザイク病の発生実態と温室天窓防虫ネット被覆による防除 |
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担当機関 | 静岡農試 |
研究期間 | 2001~2004 |
研究担当者 |
外側正之 土井誠 米山千温 鈴木幹彦 |
発行年度 | 2004 |
要約 | 静岡県の温室メロンでは、アブラムシ伝搬性のカボチャモザイクウイルス(WMV)が主に発生している。7月から8月に定植を行う温室の天窓に、定植から果実肥大初期までの間、1mm目の防虫ネットを被覆することにより、メロンモザイク病の発生を軽減することができる。 |
キーワード | メロン、メロンモザイク病、アブラムシ伝搬性ウイルス、防虫ネット |
背景・ねらい | 温室メロン農家ではメロンモザイク病の発生が多く、アンケート調査では発生農家の割合は75%、年間の被害金額は1億円以上に及んでいる。そこで、メロンモザイク病の原因となっているウイルスを特定し、発生実態を明らかにするとともに、防虫ネットの簡易被覆による防除方法を確立する。 |
成果の内容・特徴 | 1. モザイク病の発病時期は8-9月に集中し、生育初期から交配期までの発生が多い(データ略)。 2. 温室メロンで発生するメロンモザイク病の主な原因はアブラムシ媒介性ウイルスで、中でもカボチャモザイクウイルス(WMV)が高頻度に検出される(表1)。 3. WMVは家庭菜園のウリ科作物から検出され、特にカボチャから高頻度に検出される(表2)。 4. 野外から採集したオランダミミナグサやコハコベ、エンドウからWMVが検出される(データ略)。さらに、ヘアリーベッチでも上位葉への感染が可能である(データ略)。 5. メロンモザイク病の防除として、天窓への1mm目合い防虫ネットの短期被覆を推奨する(図1)。7月から8月に定植を行う温室に、定植から果実肥大初期までの間、防虫ネットを設置することにより、本病を軽減することができる(図2)。 6. 天窓への防虫ネット使用経験者へのアンケート調査の結果、回答者7名中5名が防除効果はあると答え、7名中6名がメロン品質への影響はないと答えた(データ略)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. ワタアブラムシがWMV媒介の主体であり、カボチャ等のウリ科作物がメロンへの直接的伝染源となっている可能性が高いため、メロン温室周辺ではこれらの作物の栽培を避ける。栽培する場合には、アブラムシ類の防除を行い、収穫後の残渣は早急に処理する。 2. WMVの越冬源となっている可能性がある植物(エンドウ、オランダミミナグサ、コハコベ、ヘアリーベッチ)の栽培を避け、除草を行う。 3. 防虫ネットの経費は、5条植温室で1温室あたり2万円から5万円、耐用年数は10年間、被覆には大人2人で40分程度である。 4. 防虫ネット被覆により温室内の日射量減や温度上昇、通気不良等が生じる可能性があるため、冷房機の設置等栽培管理に注意する。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 かぼちゃ 栽培技術 除草 防除 メロン わた |