タイトル | 長尺化に適したつる性植物の選定 |
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担当機関 | 東京農総研 |
研究期間 | 2003~2005 |
研究担当者 |
渋谷圭助 田旗裕也 橋本智明 佐藤澄仁 下村孝(京都府大) |
発行年度 | 2006 |
要約 | 生産量の多いつる性植物26樹種のうち13樹種は4月までにモデルを用いて長尺化を開始することで11月に樹高250cm以上の長尺苗にすることができる。またそのうち9樹種は、8月に長尺苗にすることができる。 |
キーワード | 緑化植物、壁面緑化、生産技術 |
背景・ねらい | 都市の緑化場面では壁面緑化の重要性が高まりつつある。しかし壁面緑化に用いるつる性植物の流通規格はL(つる長)=30cmであり、これらを用いても早期の被覆が得られず、壁面緑化に特化した植物が求められている。一方、緑化用植物の販売および流通は、移植・植栽が容易である冬季(12月~4月)に集中している(緑化需要期)。このため生産現場では、春先に販売先の未確定な苗を廃棄する場合があり、これらの再利用が求められている。 そこでこれまでに、緑化需要期後に発生する、販売先の未確定なつる性植物苗を用いて、ポットサイズ、用土、誘引方法、支持体、施肥量、処理開始時期を検討し、つる性長尺植物(L=250cm以上)の早期長尺苗生産技術モデルを考案した(図1)。ここでは、当モデルを用いて、長尺化に適したつる性植物の選定を行なったので報告する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 「平成16年度 公共緑化用樹木市場調査 供給可能量・調達難易度調査書」((社)日本植木協会)に示されているつる性植物の中から、壁面緑化に利用されていると考えられるもの、もしくは今後利用が見込まれるものを生産量の多い順に26樹種選定し、供試した(表1)。 2. 調査の結果から、テイカカズラ、ニシキテイカ、カロライナジャスミン、スイカズラ、ビナンカズラ、ビグノニア、ノウゼンカズラ類、ムベ、ツキヌキニンドウ、トケイソウ、ツルバラ類、クレマチス類、常緑クレマチスは5~8ヵ月で長尺化した(表1)。これらは次期の緑化需要期の開始までに長尺苗として出荷可能である。 3. ヘデラ・ヘリックス類、ヘデラ・カナリエンシス類、ナツヅタ、キヅタ、ヘデラ・コルシカ類は長尺苗になるまでにおおよそ1年を要した(表1)。これらは次期の緑化需要期の開始までに長尺化が困難であるが、次期の緑化需要期内での長尺化が可能である。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 本技術により、余剰苗の高付加価値化が可能となる。 2. 長尺化されたつる性植物苗の多くは、つるを巻くことでコンパクトな出荷が可能となる。 3. 長期の保有は、維持管理に多くの手間を要するので、望ましくない。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
カテゴリ | クレマチス 高付加価値 シカ 出荷調整 施肥 ばら ぶどう ヘデラ むべ |