タイトル | 高ビタミンC・萎黄病・黒腐病抵抗性キャベツ新品種「YRSE2号」の育成 |
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担当機関 | 長野野花試 |
研究期間 | 1995~2006 |
研究担当者 |
臼井冨太 芹澤啓明 塚田元尚 土屋宣明 |
発行年度 | 2006 |
要約 | キャベツ萎黄病・黒腐病に抵抗性を有し、高温期に安定した結球性を示すキャベツ品種「YRSE2号」を育成した。「YRSE2号」は長野県内に広く作付けされている品種に比べ、ビタミンC含量が多い。また県内の8月収穫する作期において適応性を示す。 |
キーワード | キャベツ、ビタミンC、キャベツ黒腐病、キャベツ萎黄病 |
背景・ねらい | 長野県では、キャベツ萎黄病に抵抗性を有する「YRSE」が良好な食味を有する品種として7~8月収穫となる作期に作付けされている。しかし、キャベツ黒腐病に弱く8月収穫において球高が高くなる品質低下が問題となっている。そこでキャベツ黒腐病抵抗性を改善し、「YRSE」と同等な良食味を有し、8月収穫において商品性の優れたF1品種の育成を目指す。 |
成果の内容・特徴 | 1. 育成経過 「YRSE2号」は、子房親を「YRSE」の♀親系統、花粉親をF1品種「若峰」((株)タキイ種苗)の自殖後代系統とするF1品種である。 2. 品種特性 1) 「YRSE2号」は、長野県内で広く作付けされている慣行品種に比べ、ビタミンC含量が高い(表1)。 2) キャベツ黒腐病抵抗性は「YRSE」に比べ優れる。キャベツ萎黄病に対しては真性抵抗性を有する(表2)。 3) 8月収穫において「YRSE2号」は「YRSE」に比べ球形比が小さく出荷品質面で優れた球性状を示す(表3)。 4) 官能検査(スライサーによる千切り状態における生食)による食味評価では、「YRSE2号」は「YRSE」と同等で、「若峰」より優れる(データ省略)。 5) 「YRSE2号」の形態的特性は 、「YRSE」と同等な草勢で、やや開いた草姿である。葉色は「YRSE」より濃く、「若峰」より淡い(図1)。 6) 「YRSE2号」の生態的特性は「YRSE2号」は「YRSE」に比較して葉長が長く、外葉重に対する調整球重の割合(球重率)が小さい。熟期は「YRSE」と同等(中生)である。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 定植以降少雨状態が続くと球は小玉化するので、かん水施設がある圃場では結球初期までに必要量をかん水する。 2. キャベツ黒腐病抵抗性は中程度であるので、長雨の場合は殺菌剤による防除回数を増やす。 3. 種子配布は社団法人長野県原種センターにて行うが、当面は長野県内での普及を行う。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 萎黄病 キャベツ 栽培技術 出荷調整 新品種 抵抗性 品種 防除 良食味 |