タイトル | 飼料イネ・ニンジン二毛作における家畜ふん堆肥及び尿液肥の施用効果 |
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担当機関 | 埼玉農総研 |
研究期間 | 2004~2008 |
研究担当者 |
山﨑晴民 酒井和彦 崎尾さやか 畑克利 鎌田淳 岩崎剛 |
発行年度 | 2007 |
要約 | 水田(水稲または飼料イネ)の裏作にニンジンの作付が行われている二毛作地域において、家畜ふん堆肥、尿液肥を施用することにより、飼料イネ及び裏作ニンジンの収量を維持・向上することができる。 |
キーワード | 飼料イネ、水田裏作ニンジン、二毛作、家畜糞堆肥、尿液肥 |
背景・ねらい | 埼玉県北部の熊谷市妻沼地域は、二毛作を利用した水田裏作として露地野菜の栽培も盛んであり、水稲-小麦体系とともに、ニンジン、カブ、ネギなどの栽培が行われている。一方、熊谷市(旧妻沼町)では平成16年3月より公営の有機センター(堆肥化施設)が稼働し、酪農家から出される牛ふん及び耕種農家由来の麦わらや籾殻を混合した堆肥が生産され、耕種農家による利用の促進が図られている。 そこで、妻沼地域の水田における飼料イネ(または水稲)及び裏作のニンジン栽培において、堆肥、液肥の施用が飼料イネの生産性とニンジンの収量・品質に及ぼす影響について明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. 熊谷市(旧妻沼町善ヶ島地区)ではブロックローテーションにより、夏作に水稲あるいは飼料イネ、裏作にニンジンあるいは小麦を栽培している。有機センターにおいて生産される牛ふん堆肥の全窒素等成分は2年目以降安定し、乾物中の全窒素含量は2%程度であった。また、家畜尿曝気液は、アンモニア態窒素を1500~2200mg/l程度含み、液肥として利用できる(表1)。 2. 慣行区(牛ふん堆肥・液肥無施用、化成肥料のみ基肥でNとして8.4kg/10a施用)に比べ、尿液肥の施用により生育中の飼料イネの葉色は濃くなる傾向が認められる(データ略)。また、慣行区に比べ、堆肥及び尿液肥施用区の飼料イネの収量は同等ないし向上する(表2)。堆肥施用量は4t/10aでの収量に対する効果は必ずしも高くはなく、連用により窒素投入量が多くなることが懸念される。 3. 水田裏作ニンジンに対して、飼料イネ作付前の家畜ふん堆肥の施用、飼料イネ栽培中の家畜尿液肥の施用は、形状等の品質に悪影響を及ぼさず、可販収量は同等ないし向上する(表3)。 4. 家畜ふん堆肥の連年施用により、土壌中の全炭素、全窒素が高まるが、交換性カリウム等塩基類の蓄積はほとんどみられない(表4)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 2年1巡のブロックローテーションにより、夏作に水稲あるいは飼料イネが作付けされ、裏作にニンジンを栽培しているほ場(細粒灰色低地土)でのデータである。 2. 飼料イネの裏作としてニンジンが作付けされている地域において、家畜ふん堆肥及び尿液肥の施用技術として活用できる。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
カテゴリ | 肥料 かぶ 小麦 水田 水稲 施用技術 二毛作 乳牛 にんじん ねぎ |