小麦浅耕栽培における前作稲ワラの影響と窒素増施の効果

タイトル 小麦浅耕栽培における前作稲ワラの影響と窒素増施の効果
担当機関 三重科技セ
研究期間 2007~2009
研究担当者 出岡裕哉
中西幸峰
北野順一
発行年度 2007
要約 稲ワラの播種直前すき込みは、小麦の生育量や収量を抑制する。しかし、稲ワラすき込み時に窒素を増施すればその影響は軽減され、生育量が抑制されやすい浅耕栽培でも、普通耕栽培と同等以上の生育量と収量が得られる。
キーワード 小麦、稲ワラ、浅耕、窒素増施
背景・ねらい 小麦作の担い手への集積が進む中で、前作稲ワラの早期すき込み作業を省略し播種直前に稲ワラをすき込む場面が増えている。これにより、腐熟の不十分な稲ワラが小麦作直前に還元されることとなり、小麦のための基肥窒素が稲ワラの分解に伴って収奪されることが想定される。また、小麦浅耕栽培は作業効率の優位性などから普及しつつあるが、普通耕栽培に比べて根域が浅く、生育量が抑制される傾向にある。そこで、播種直前の稲ワラすき込みにおける稲ワラの窒素取込量の検討と小麦の生育収量等への影響、また、窒素増施効果について検討する。

成果の内容・特徴 1.
培養試験から、未風化(収穫時)の稲ワラ50kg/aすき込み時には、0.4kg/aの窒素が取り込まれると推定される。ただし、圃場で2ヶ月間放置された稲ワラの場合には、窒素取込量は減少する(図1)。
2.
小麦の追肥前までの生育は、稲ワラをすき込むと葉色、茎数とも低下減少するが、播種直前に窒素増施を行うと、その影響は軽減される(表1)。
3.
播種直前の稲ワラすき込みは、麦稈重、精麦重及び窒素吸収量を減少させる。また、播種直前の窒素増施はこれらを増加させる(表1)。
4.
稲ワラをすき込み、窒素増施を行わない慣行条件において、浅耕栽培では普通耕栽培に比較して麦稈重及び精麦重は低下する傾向にあるが、窒素増施を行うことで、稲ワラの影響を軽減でき、普通耕栽培と同等以上の麦稈重及び精麦重が得られる(図2)。

成果の活用面・留意点 1.
小麦浅耕栽培における生産安定化技術として利用できる。
2.
小麦浅耕栽培の耕深は5~7cm、普通耕栽培の耕深は12~15cmである。
3.
圃場栽培試験は、安全のため未風化の稲ワラがすき込まれた場合の最大取込量を想定して0.4kg/aの窒素増施試験を行った。しかし、水稲収穫後すき込みまでに稲ワラが風化すると、窒素取込量は小さくなると推定されるので、増施すべき窒素量は小さくできる可能性が高い。
4.
播種直後に強い降雨があると窒素の溶脱が生じるため、透水性の大きな圃場では、石灰窒素を用いる方が良いと考えられる。
5.
小麦播種時期の地温により、稲ワラの窒素取込時期が異なる可能性がある。

図表1 218704-1.gif
図表2 218704-2.gif
図表3 218704-3.gif
カテゴリ 小麦 播種

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