タイトル |
大豆の中耕・培土機を汎用利用した麦類の土入れ作業技術 |
担当機関 |
企画マーケティング室 |
研究期間 |
2007~2008 |
研究担当者 |
本間利明
新井守
酒井和彦
設楽秀幸
小林均((株)南関東クボタ)
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発行年度 |
2008 |
要約 |
大豆の中耕・培土機を活用した麦の土入れ作業では、耕深は3~5cm、ロータリを正転として作業すると飛散土壌量は3kg強と、多少のほ場高低が認められても平均的土入れ作業が可能である。また、中耕土入れ作業は小麦の収量や品質の向上が期待される。
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キーワード |
小麦、中耕・培土機、土入れ作業、作業性能、耕深
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背景・ねらい |
ランク区分による高品質・多収をめざす麦類の生産体系では、小麦の7葉期追肥を補完する機械化作業として施肥と土入れ同時作業(早期の肥効発現を促す)が求められいる。また、埼玉県北部で盛んな麦整地播普通栽培(播種幅15cm、畝間45cm)では、ロータリ付き小型ティラや中古ロータリのブレードを抜いた作業機による麦の土入れ作業が盛んに行われ、迅速な機械化作業技術が要望されている。 そこで、市販されている大豆の中耕・培土に使われる作業機を利用した麦の土入れ最適作業法とその作業性能を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 一般的に大豆栽培の中耕作業は作業機ロータリを逆転して使用するが、麦の場合は茎立ち期前でありそのまま利用するには草丈が低く、中耕飛散量が多すぎて麦株全体を埋めてしまう。有効な土入れ作業条件は、22cmの中耕機ブレード幅にあわせて条間を40cm以上とし、正転による中耕時のブレードの耕深は3cm程度である(データ略)。
- 3条の中耕作業機を使って、麦の条間(幅45cm)に沿って耕深3cm程度で隣接往復作業を行うと、平方メートル当たりの飛散土壌量は3.1±0.8kgとなり(表1、図1)、多少のほ場高低が認められても、平均的に土入れ作業が可能である。
- 有効作業幅2.1m、作業速度0.5m/sで作業した中耕作業機のほ場作業量は1時間当たり40.3a、ほ場作業効率は75%である(表2)。また、ha当たりに換算した土入れ作業時間は約2.5時間となる。
- 土入れ作業を実施することにより、所内ドリル播平均収量に比べ同等以上の収量、品質となり(表3)、倒伏の程度が軽減されることが期待できる。
- この技術は、小麦の7葉期追肥を補完する機械化作業としての施肥と土入れ同時作業(早期に肥効発現を促す)が可能となる。
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成果の活用面・留意点 |
- 所内試験は灰色低地土・宝田統、現地実証は埼玉県北部地域沖積土壌で麦の整地播普通栽培が盛んな地域で得られた結果である。
- 麦の播種条間が40cm以上ある栽培方式で、大豆の中耕管理機はそれに合わせた条間を調整できる機種を選定し、ロータリの回転方向が変更できない場合は、ブレードを左右取り替える必要がある。
- 麦の高品質生産のためプラソイラによる耕起、7葉期追肥と中耕培土による土入れなどに取り組む必要もある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
機械化
小麦
施肥
大豆
播種
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