伝染源からの距離別に葉いもちの病斑数を推定する式

タイトル 伝染源からの距離別に葉いもちの病斑数を推定する式
担当機関 新潟農総研
研究期間 1989~2004
研究担当者 石川浩司
黒田智久
佐藤秀明
堀武志
佐々木行雄
原澤良栄
小潟慶司
発行年度 2008
要約 伝染源からの胞子飛散により1回の感染で形成された葉いもち病斑の分布は、4種類の異なる勾配からなり、それぞれに指数関数式が適合する。これらを組み合わせた式により伝染源からの距離別の病斑数が推定できる。
キーワード 胞子飛散、葉いもち病斑、勾配、病斑数、推定式
背景・ねらい いもち病菌のレース変動は、主に胞子の飛散による菌の移入・移出とイネの真性抵抗性による選択で生じると考えられ、その予測には菌の拡散様式を明らかにする必要がある。これまで、近距離と中距離では異なる勾配で菌が拡散することは知られていたが、伝染源における感染の規模と距離別の病斑数との関係は不明であった。そこで、これらを明らかにし、いもち病菌の動態解明に資する。
成果の内容・特徴
  1. 伝染源からの距離別の葉いもち病斑数には、1m以内、1~7m、7m以上で異なる勾配が認められる。また、700mまで拡散する緩やかな勾配が存在し、それぞれに指数関数式(式1~4)が適合する(図1、表1)。
  2. 4種類の指数関数式を組み合わせた次式を使うと、発病程度が異なる伝染源からの距離別の病斑数が推定できる(図2)。
    Y = n ×(51.76e-3.962 X + 2.28e-1.04415 X+0.0121e-0.06965 X+0.000102e-0.0058 X)/54.052202
    y:伝染源からの距離Xmで形成される病斑数、X:伝染源からの距離(m)
    n:伝染源からの距離0mで新たに形成される病斑数、e:自然対数の底

  3. 推定式で算出した病斑数は、鈴木(1969)の調査値と適合しており、近距離における推定精度は高い(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 地域のいもち病菌レースの変動予測に有用である。
  2. 発病進展に伴う発病の空間的な広がりの解析や、多発生ほ場が伝染源として周辺ほ場に与える影響の評価などに利用できる。
図表1 218972-1.jpg
図表2 218972-2.gif
図表3 218972-3.gif
図表4 218972-4.gif
図表5 218972-5.gif
カテゴリ いもち病 抵抗性

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