早生実エンドウ新系統「4-1-1-1-2」の育成経過とその特性

タイトル 早生実エンドウ新系統「4-1-1-1-2」の育成経過とその特性
担当機関 和歌山県農林水産総合技術センター
研究期間 1997~2001
研究担当者 小畑利光
森泰
藤岡唯志
発行年度 2001
要約 実エンドウの品種「きしゅううすい」とキヌサヤエンドウの品種「美笹」を交配し、選抜をすすめ、「きしゅううすい」よりも早生で、大莢の系統「4-1-1-1-2」を育成した。
キーワード 実エンドウ、早生、大莢、
背景・ねらい 和歌山県の実エンドウの作型は、収穫期が10~6月と長期にわたっている。そして、すべての作型で「きしゅううすい」が作付のほとんどを占めている。この品種は、秋まきハウス及び夏まき年内どり栽培で、収穫期の前進化には種子低温処理や電照による春化処理が必要である。しかし、処理労力負担に加え、低温処理種子の発芽不良など問題点がある。このため、春化処理を行わなくてよい早生品種の育成に取り組み、「4-1-1-1-2」を育成した。
成果の内容・特徴
  1. 育成経過
    1989年に「きしゅううすい」に「美笹」を交配し、翌年F2を採種し、F6まで集団育種を行い、F7で個体選抜を行った。さらに、系統選抜を重ね1999年に「4-1-1-1-2」を選抜した。
  2. 秋まきハウス栽培
    育成した新系統は、上物莢は長くて重く、むき実歩合は40%程度で比較的高い。莢は幅が広く、やや偏平である(表1)。
    1月末までの初期収量は、総収量の50%以上と多い(図1)。
  3. 夏まき年内どり栽培
    新系統は、8月中旬は種での開花始めは9月上中旬と早い。収穫始めは「矢田早生うすい」よりやや遅れるが、「きしゅううすい」より2週間以上早い(表2)。
    上物率は45%程度と高く、上物莢は長くて重い。一莢粒数は比較的多いが、むき実歩合は若干低い(表2)。
    総収量は800kg/10a程度と多く、11月前半までに総収量の95%以上が収穫できる(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 夏まき年内どり栽培では、開花促進のための種子低温処理が、秋まきハウス栽培では、種子低温処理や電照が省ける。
  2. 良品質の莢が早期から収穫できる。
図表1 219164-1.jpg
図表2 219164-2.jpg
図表3 219164-3.jpg
図表4 219164-4.jpg
カテゴリ 育種 さやえんどう 発芽不良 品種 実えんどう

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