ハーブ給与による機能性付加牛乳の生産

タイトル ハーブ給与による機能性付加牛乳の生産
担当機関 兵庫淡路農技
研究期間 1998~2003
研究担当者 高田 修
篠倉 和己
凾城 悦司
発行年度 2001
要約 ハーブ(ペパーミント、オレガノ)を搾乳牛に飼料として給与することにより、ハーブの精油成分が牛乳中に移行し、機能性(抗酸化性、抗菌性)の付加された牛乳を生産することができる。
キーワード 食品品質、乳用牛、ハーブ、牛乳、抗酸化性、抗菌性
背景・ねらい 牛乳は代表的な自然食品及び健康食品として認知され消費されているが、牛乳の風味が嫌いな人の存在や牛乳の健康的機能が明確化されていないことがある。一方、ハーブ類には香りや風味での嗜好品としての価値と共に、抗酸化や抗菌機能での健康食品としての高い評価が得られている。
これまでの研究で、ハーブを飼料として乳牛に給与し、ハーブの精油成分を牛乳中に移行させることにより風味の異なった牛乳を生産させることができ、すでにペパーミントを使用したハーブ牛乳が「心にやさしい牛乳」として販売されているが、さらにハーブの持つ有用な機能性を牛乳中に移行させ、機能性が付加された牛乳を生産することにより、自然食品及び健康食品としての牛乳をアピールすることができる。
成果の内容・特徴
    ハーブの1日給与量により3区(低区、中区、高区)を設定し、各区に乳牛2頭を供試し、14日間の給与試験を実施した。オレガノ(Origanum vulbare )給与量は300g、600g、1000g、ペパーミント(Mentha piperita )給与量は500g、1000g、1500gで、TMRと混合して朝夕2回に分けて給与した。精油成分は試験最終日サンプル乳(朝・夕の合乳)をGC/MS-SIM法で定量分析した。抗酸化性は試験開始前日と試験最終日サンプル乳を用い、乳脂肪中の抗酸化性をDPPH(1,1-Diphenyl-2-pycrylhydrazyl )値のブランクに対する割合で比較した。抗菌性は同様のサンプル乳を65℃30分で加熱処理後、15℃7日間保存の間の生菌数増加割合を常用対数で比較した。
  1. ハーブの精油成分はオレガノ、ペパーミント共に給与量と比例して牛乳中に移行している(表1)。 
  2. オレガノ、ペパーミントは共に全ての区で有意にDPPH値が低下しており、オレガノ及びペパーミントを乳牛に給与することにより、抗酸化性の高い牛乳を生産することができる (表2)。
  3. ペパーミントは全区平均で有意に生菌数の増加が抑制されており、ペパーミントを乳牛に給与することにより、抗菌性の高い牛乳を生産することができる(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 「高機能性牛乳の生産方法」として特許を申請している。
  2. ハーブの給与量により、牛乳の風味等への影響度が異なる。
図表1 219232-1.jpg
図表2 219232-2.jpg
図表3 219232-3.jpg
カテゴリ オレガノ 機能性 乳牛

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