少量土壌培地耕によるバラ養液栽培の低コスト化

タイトル 少量土壌培地耕によるバラ養液栽培の低コスト化
担当機関 滋賀農総セ農試
研究期間 1999~2002
研究担当者 臼居仁司
野村衛
発行年度 2002
要約 バラの少量土壌培地耕は、1株あたり2l程度の土壌を培地に使用する養液耕の一種で、品種に応じた苗の種類や仕立て方を選択することで、ロックウール耕と同等以上の収量や品質が得られる。また、養液を循環利用しても収量や品質に影響が見られず、肥料の節減効果が高い。
キーワード バラ、養液耕、養液栽培、低コスト、養液循環、少量土壌
背景・ねらい 滋賀県のバラ切り花生産は、近年、連作障害や施設の老朽化、労力不足により生産性が低下し、加えて市況低迷が経営を圧迫している。その対策には、収量や品質の向上、安定に加え、コスト削減、軽作業化、省力化による総合的な経営改善が必要である。しかし、省力効果の高いロックウール耕は、設備経費がかかることや廃培地処理および肥料調整作業の不安等の理由により、30%未満の導入にとどまり、養液耕において省力化や軽作業化、高品質化に効果が高いアーチングやハイラック等の仕立て方法も普及率が低い。そこで、低コストで容易に取り組めるバラの養液耕を検討する。
成果の内容・特徴 1.
バラの養液耕の培地に1株あたり1.5~2 l 程度の少量の土壌を用いると、品種により苗種や仕立て方によって適応性の差が認められるが、ロックウール耕と同等以上の生産性がある(表1)。
2.
スタンダード品種の「ローテローゼ」は接ぎ木苗、スプレー品種の「リトルマーベル」は挿し木苗が適している(表1)。
3.
ロックウール耕では4年目に切り花重や切り花長が低下するが、少量土壌培地耕では低下しないか緩やかである(データ略)。
4.
スタンダード品種はハイラック仕立てまたはアーチング仕立てにすると重くて長い切り花が多く生産でき、スプレー品種はアーチング仕立てにすると重くて長い切り花が生産できる(表2)。
5.
培養液の循環利用が可能で、「ローテローゼ」や「ティネケ」および「リトルマーベル」は、長期間(4年)継続して培養液を循環利用しても、かけ流し管理と同等以上または同等の生産性があり、20%の肥料節減ができる(表3)。
6.
栽培ベンチは、パイプハウスの鉄管やジョイント部品、木材などの利用により市販の養液耕設備の30~80%の経費で作ることができる(表4)。
成果の活用面・留意点 1.
生産性の低下した土壌や、省力・軽作業化を進めたい経営に活用できる。
2.
既設の養液耕設備からの転換も容易である。
3.
培地土壌は水田土壌など身近に入手できるものでよく、土質に応じて有機質資材で物理性を改良するとよい。バラや園芸作物を栽培していた土壌は土壌消毒をする。
4.
培養液の循環は、回収排液を新しい培養液に2割程度混和して給液する。
図表1 219444-1.gif
図表2 219444-2.gif
図表3 219444-3.gif
図表4 219444-4.gif
カテゴリ 土づくり 肥料 経営管理 コスト 挿し木 省力化 水田 接ぎ木 低コスト 土壌消毒 ばら 品種 養液栽培 連作障害

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