タイトル | カンキツせん定枝葉の堆肥舎内短期間堆肥化法化 |
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担当機関 | 徳島農林水産総技セ |
研究期間 | 2002~2006 |
研究担当者 |
森 聡 |
発行年度 | 2002 |
要約 | カンキツせん定枝葉の粉砕物を堆肥舎内で散水しながら堆積することにより、6か月で完熟した堆肥の作製が可能である。 |
キーワード | カンキツせん定枝葉、堆肥化 |
背景・ねらい | 環境に優しい持続的果樹栽培技術体系の早急な確立が求められている中、果樹園から排出されるせん定枝葉を焼却することなく、園内に土壌改良資材としてリサイクルするために、カンキツせん定枝葉の短期間堆肥化法を検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 2001年春にせん定したカンキツせん定枝葉を同年5月に粉砕し、この約2tを堆肥舎内で散水しながら堆積すると、約2日後には内部温度が70℃に上昇し、その後50℃程度まで低下するごとに散水しながら切り返しを行い、それを繰り返しても40℃以上に上昇しない時点(12月上旬)を完熟とする(図1)。 2. 堆肥化後のpH(H2O)は堆積前の6.09から8.24まで上昇し、ECは2.5から2.9へとやや上昇する。 T-C(%)がわずかに減少し、T-N(%)が上昇した結果、C/N35から13まで減少しており、完熟したものと推測できる(図2、表3)。 3. せん定枝葉堆肥抽出液を用いてコマツナ種子発芽試験を行うと、対照区の水と同じ発芽率100%であり、茎長は水の場合よりも優れ(表1)、このことからも完熟していると判断される。 4. 外観も黒色で、バーク堆肥様になっている(表2)。 5. 以上のことから、カンキツせん定枝葉の粉砕物を堆肥舎内で散水、堆積するだけで十分完熟した堆肥の作製が可能である。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 本方法には堆肥舎が必要であり、大型チッパー、ショベルローダーを用いれば効率的である。 2. 本方法は窒素源無添加で完熟化が可能である。 3. 本堆肥の施用は10a当たり5tまでとする。 4. せん定枝葉堆肥だけでは必要量の堆肥をまかなえないが、園内、地域内でのリサイクルとしての利用が可能となる。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
図表5 | ![]() |
カテゴリ | こまつな 栽培技術 土壌改良 その他のかんきつ |