液肥混入式土壌埋設点滴チューブによるコマツナの高品質安定生産

タイトル 液肥混入式土壌埋設点滴チューブによるコマツナの高品質安定生産
担当機関 兵庫農総セ
研究期間 2002~2004
研究担当者 竹川昌宏
永井耕介
牧浩之
小河甲
大塩哲視
斎藤隆雄
河野哲
渡辺和彦
発行年度 2004
要約 ハウス栽培のコマツナにおいて、点滴チューブを土壌中に埋設し、施肥、潅水を行う栽培方式により、1作2kg/10aの窒素量で栽培することができる。この栽培方式は潅水作業が楽で、コマツナの生育は良好で、体内硝酸イオン濃度も低い。
キーワード 点滴チューブ、地中潅水、液肥混入、コマツナ、低硝酸
背景・ねらい 埋設した点滴チューブにより潅水や施肥を行って栽培する方式は、潅水量や施肥量の節減、潅水量の安定化をもたらすため、果菜類等においては、近年利用が増加している。
また、葉菜類の体内硝酸イオン濃度を低下させるためには、生育期間を通じて窒素肥料が少量ずつ安定的に供給されるのがよいとされる。小型の葉菜類であるコマツナは、体内の硝酸イオン濃度が高い作物とされ、低減化が求められている。このため、埋設した点滴チューブによってコマツナを栽培する方式を確立することにより、生産の安定と低硝酸化を図る。
成果の内容・特徴
  1. 本栽培方式は、1.2m幅のうねの地中約10cmの位置に20cm間隔で点滴チューブを3本埋め込み、それに用水(EC 0.12dS/m)を流すことにより潅水を行って栽培する方式である。取水口付近で空気、あるいは液肥を水圧によって混入することができる (図1)。点滴チューブの穴の間隔は10cmで1穴当たり0.4L/hrの水が出る。
  2. 播種後発芽までは1~2回地上からの潅水により、土壌全面を十分に湿らせる。その後は地中埋設チューブで潅水を行う。潅水量は真夏で1L/m2の潅水を週3回、春秋は週2回程度行い、潅水時に液肥(尿素複合液肥10-4-8%)の原液を潅水の吸引圧により混入させて、必要な肥料をまかなう。液肥の量は窒素で1作当たり2kg/10aになるように調節する。
  3. 化成肥料を混合して地上からの潅水で栽培する慣行栽培で、窒素量を2kg/10aに合わせた場合と比べ、生育が良好で草丈も大きい(表1)。
  4. 春~秋に3作栽培した結果では、体内硝酸イオン濃度は慣行栽培よりも15~30%少ない(図2)。
  5. 土壌の硝酸態窒素量の変動は慣行栽培に比べて小さく安定している(表2)。
  6. 地上からの潅水は発芽までの期間だけであるため、雑草も比較的生育しにくく、土壌が固まりにくいので収穫作業は楽である。

成果の活用面・留意点
  1. 水圧は2~3気圧が必要で、不足の場合、ポンプを使用する。また、ストレーナにより、水の汚れを取り除いておく。
  2. 埋設チューブのため耕起作業ができないので、2作目以降は不耕起栽培とする。耕起作業の可能性や点滴チューブの埋設位置、潅水量、不耕起栽培の連作可能回数などについて、今後検討する必要がある。

図表1 219871-1.jpg
図表2 219871-2.jpg
図表3 219871-3.jpg
図表4 219871-4.jpg
カテゴリ 肥料 病害虫 こまつな 雑草 施肥 播種 不耕起栽培

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