タイトル |
GISを利用した大規模水田営農における圃場作業管理システム |
担当機関 |
鳥取大学 |
研究期間 |
2002~2003 |
研究担当者 |
三浦修平
小林 一
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発行年度 |
2003 |
要約 |
圃場一筆毎の情報を白地図と連動させ色付け表示することで、大規模経営体が管理する圃場毎の特徴や生産性、日々の作業実施状況を容易に把握することができ、作付けや作業計画等の意思決定支援が可能となる。
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キーワード |
水田営農、支援システム、GIS、作業管理、圃場管理
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背景・ねらい |
大規模経営体では規模拡大に伴う圃場数の増加・分散により作業管理、労務管理が煩雑になる等の問題が生じている。そこで、これまで鳥取大学で開発を進めてきたパソコン用ソフトウェア「一筆圃場管理システム」の成果をふまえ、地図情報(GIS)を利用して、大規模農家が経営する各圃場の特徴や生産性、日々の作業実施状況を容易に把握することができ、圃場に適した作業計画の作成や各種作業の進行管理、労務管理に活かすシステムを開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 圃場情報を蓄積するための圃場カルテとして、土地台帳、作付台帳、栽培管理台帳、作業受託台帳の4種類を設け、この台帳に従って圃場一筆ごとの情報を蓄積し、データベースを構築する(表1)。このデータベースと白地図を連動させて、作付作物(品種)、収量、作業実施状況、作業進捗状況等を地図上に色付け表示できる。
- 作業進捗状況表示では、指定した作物(品種)について作業内容一覧より作業名を選択すると作業が行われた圃場が着色される。この作業の指定を繰り返すことで作業進捗状況を視覚的に把握することができる(図1)。これによって、作業員の意思疎通がとりやすくなる。また、進行状況にあわせた作業計画の修正が容易となり、作業の進行管理にあわせた臨時雇用の人員配置へ利用できる。
- 収量表示では、水稲単収500kg/10a以上、500~470kg/10a、470~440kg/10a…(基準値:500kg/10a,刻み幅:30kg)のように、基準の数値とそれ以下の刻み幅を設定し、段階表示できる(図2)。これにより、各圃場の生産性の把握ができる。
- 低収要因を把握するために、栽培管理中、及び刈り取り前の作物や圃場の状態(作物の生育状況、除草効果、病害虫による被害、倒伏程度、収穫時圃場状態など)を圃場カルテへ入力する。これをもとに、低収圃場の要因を圃場図へ表示できる(図3(ⅰ))。要因が図示された圃場については、一筆圃場カルテより栽培履歴等の確認(図3(ⅱ))を行い、作付作物、作業時期、使用資材とその使用量が適切であったか見直しをする。これにより、見直しを反映させた次年度の作付計画、作業計画の作成が可能となる。
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成果の活用面・留意点 |
- 圃場情報については、最大で2,000筆分を扱うことができる。ただし、縮尺が小さく画面当たりの白地図の面積領域が広くなると、画像データの情報量が大きくなるため、扱える圃場枚数が制限されることとなる。
- 作物、品種、作業項目はそれぞれ20種類、収量は10段階まで表示可能である。
- 圃場数が多く、圃場情報の収集や管理が容易でなくなる経営体での利用が想定される。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
害虫
規模拡大
経営管理
栽培技術
作業管理
除草
水田
大規模経営
データベース
品種
圃場管理
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