タイトル |
花壇苗生産における潅水法と肥料成分の流亡 |
担当機関 |
大阪食とみどり技セ |
研究期間 |
2000~2002 |
研究担当者 |
辻 博美
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発行年度 |
2003 |
要約 |
底面給水による潅水法は、ミストや蓮口による頭上潅水法に比べ、鉢底から環境中へ流亡する窒素量を34%軽減でき、環境保全型栽培管理技術指針として活用できる。
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キーワード |
花壇苗、底面給水、硝酸態窒素、窒素流亡、環境保全型栽培
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背景・ねらい |
大阪府では水稲、野菜、果樹を対象に作物別環境保全型農業技術指針が策定されている。花き生産においても、環境への負荷を軽減できる栽培技術の確立が必要となっている。そこで花壇苗生産において、鉢底から環境へ流亡する肥料成分を軽減できる潅水法を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 底面給水は水深約2cmに滞水した後、余剰の水は鉢底に敷いた不織布を伝い徐々に排水される。
- 鉢底から流亡した硝酸態窒素は、底面給水は施用後1週目が最も多いが、蓮口を用いた手潅水およびミスト潅水は施用後2週目の流亡量が最も多い。その後、何れの潅水法も徐々に少なくなり9週目には流亡はなくなる(図1)。
- 育苗期間中における硝酸態窒素流亡量は、底面給水がミスト潅水の66%、手潅水の80%と最も少なく、底面給水による潅水は硝酸態窒素の環境への流亡軽減効果が認められ、環境保全型栽培管理技術として活用できる(図2)。
- 草丈は潅水法の違いによる差は見られず、底面給水の生育はやや小振りになり、品種により開花が遅延する(表1)。
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成果の活用面・留意点 |
- ニチニチソウの花壇苗生産で、ピートモス、マサ土、パーライトを容積比で5:2:3に混合した用土を充填した3号ポットに、緩効性被覆肥料(ロングトータル花き1号,N:P:K=13:16:10)を1g/ポット施用し、毎日定刻にポット当たり約150ml潅水した結果である。
- 秋作のパンジーでもニチニチソウと同様の結果であるが、他の品目や品種については既存のデータを参考に、生育が遅延しない水位を検討する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
肥料
育苗
栽培技術
水稲
パンジー
品種
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