黒毛和種牛骨格筋におけるミオスタチン遺伝子の発現推移

タイトル 黒毛和種牛骨格筋におけるミオスタチン遺伝子の発現推移
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 近畿中国四国農業研究センター
研究期間 2001~2003
研究担当者 柴田昌宏
松本和典
相川勝弘
村元隆行
発行年度 2003
要約 骨格筋増殖の抑制的調節因子であるミオスタチン遺伝子について、黒毛和種牛の半腱様筋、大腿二頭筋及び腰最長筋で遺伝子発現を確認し、3筋肉間では半腱様筋での発現が最も高く、また、いずれの筋肉においても胎子期で強い発現が認められる。
キーワード ウシ、ミオスタチン、黒毛和種、骨格筋、遺伝子発現
背景・ねらい 肉用牛において、産肉性を向上させることは非常に重要であり、近年の分子生物学の進歩により、産肉形質に影響を及ぼす遺伝子などが決定されつつある。ミオスタチン(Myostatin; MSTN)遺伝子は骨格筋増殖の抑制的調節因子として知られており、細胞レベルでは筋肉系細胞の増殖抑制作用などが確認されている。そこで本研究では黒毛和種牛における骨格筋増量の可能性を検討するために、胎子期から肥育終了時までの全期間でのMSTN遺伝子の発現推移を生体レベルで明らかにすることを目的とする。また、MSTN遺伝子は骨格筋増殖を抑制的に調節することから、黒毛和種牛骨格筋において凍傷による骨格筋損傷モデルを作製し、骨格筋再生過程におけるMSTN遺伝子の発現解析を実施する。
成果の内容・特徴 1.
黒毛和種牛の胎子期から肥育終了時までの半腱様筋におけるMSTN遺伝子の発現推移は、胎子期で最も発現が強く、出生後10ヵ月齢まで発現量が減少し、その後、肥育終了(28ヵ月齢)までの間に再び発現量が一時的に増加する(図1)。
2.
半腱様筋(ST)、大腿二頭筋(BF)及び腰最長筋(LL)の骨格筋3部位において、発達に伴うMSTN遺伝子の発現推移は同様のパターンを示し、出生後の遺伝子発現は骨格筋3部位間で、半腱様筋が最も高い(図2)。
3.
凍傷誘発による黒毛和種牛(16ヵ月齢)の骨格筋損傷モデルにおいて、損傷後の半腱様筋でMSTN遺伝子の発現量の減少が認められたことから、骨格筋再生過程において、MSTNの骨格筋増殖抑制作用の脱抑制が示唆される(図3)。
成果の活用面・留意点 1.
MSTNは骨格筋の増殖に対して抑制的に作用することから、黒毛和種牛における出生後から肥育終了時までのMSTN遺伝子の発現変動を参考に、効率的に骨格筋量を増加させるための時期を推測するための一つの手段として期待できる。
2.
MSTN遺伝子の発現量はリアルタイムPCRにより測定し、グリセルアルデヒドリン酸脱水素酵素(GAPDH)を内部標準遺伝子として使用し、相対値で示している。
図表1 219770-1.gif
図表2 219770-2.gif
図表3 219770-3.gif
カテゴリ 肉牛

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