トウガラシのサツマイモネコブセンチュウ抵抗性DNAマーカーの開発

タイトル トウガラシのサツマイモネコブセンチュウ抵抗性DNAマーカーの開発
担当機関 高知農技セ
研究期間 2000~2003
研究担当者 岡田昌久
細美祐子
松本満夫
澤田博正
発行年度 2004
要約 サツマイモネコブセンチュウ抵抗性遺伝子に連鎖するRAPDマーカーを同定し、連鎖領域を特異的に増幅するSTSマーカー(E23-1STS)を開発した。このマーカーにより、トウガラシのサツマイモネコブセンチュウ抵抗性を幼苗段階で容易に識別できる。
キーワード サツマイモネコブセンチュウ、STSマーカー、トウガラシ
背景・ねらい 高知県ではサツマイモネコブセンチュウによる被害が毎年発生しており、抵抗性をもつシシトウ・ピーマン品種あるいは台木の育成が期待されている。現在、抵抗性素材を利用して交配育種を進めているが、センチュウ接種による選抜には時間と労力を必要とし、接種する条件により結果が不安定になるなど育種の進捗を妨げている。本研究では、交配育種を効率的に行うため、トウガラシのサツマイモネコブセンチュウ抵抗性DNAマーカーの開発を行う。
成果の内容・特徴
  1. サツマイモネコブセンチュウ抵抗性トウガラシ品種‘Laris’と感受性ピーマン系統‘MK18-3-1’とのF1世代から作出した葯培養系統を用いて、サツマイモネコブセンチュウ抵抗性遺伝子に連鎖するRAPDマーカー(LOD値;46.455)を同定する。このマーカーによって増幅されるDNA断片の塩基配列を決定し、連鎖領域を特異的に増幅するSTSマーカーを開発する(図1)。
  2. サツマイモネコブセンチュウ抵抗性葯培養系統を感受性ピーマン系統に交配したF2分離集団において、STSマーカーによる抵抗性個体の選抜は、サツマイモネコブセンチュウ接種検定の結果とほぼ一致する。STSマーカーはサツマイモネコブセンチュウ抵抗性選抜マーカーとして有効である(表1)。
  3. このSTSマーカーは、サツマイモネコブセンチュウ抵抗性のトウガラシ系統「八房系」からも同じサイズのバンドが確認される(図2)。
成果の活用面・留意点 [成果の活用・留意点]
  1. 検定に使用したサツマイモネコブセンチュウはレース1である。‘Laris’がレース1以外に抵抗性であるか否かは不明である。また、‘Laris’のサツマイモネコブセンチュウ抵抗性は単一優性遺伝子支配と推定される。

  2. 高知県内のピーマン圃場では、‘Laris’に寄生するサツマイモネコブセンチュウが優占する事例も報告されている。

  3. このSTSマーカーは、Capsicum annuum L.に属する品種に適用可能と考えられる。
図表1 219788-1.jpg
図表2 219788-2.jpg
図表3 219788-3.jpg
カテゴリ 育種 ししとう 台木 DNAマーカー 抵抗性 抵抗性遺伝子 とうがらし ピーマン 品種

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