タイトル |
ブドウの減農薬栽培で問題となる鱗翅目害虫の見分け方 |
担当機関 |
岡山県農業総合センター農業試験場 |
研究期間 |
2004~2006 |
研究担当者 |
佐野敏広
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発行年度 |
2005 |
要約 |
ブドウの減農薬栽培で発生が多くなる鱗翅目害虫は、果房の被害や幼虫の形態で類似種を見分けることができる。
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キーワード |
ブドウ、減農薬栽培、鱗翅目害虫、識別法
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背景・ねらい |
ブドウで減農薬栽培を行うと、それまでマイナーであった鱗翅目害虫の発生が多くなるが、被害や幼虫の形態が類似しているため、現場では種を誤認するケースがみられる。そこで、被害の特徴や幼虫の形態等から種類を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- チャノコカクモンハマキとホソバチビヒメハマキは、絹状の糸で花穂や幼果を綴って食害し、食害部で蛹化する。両種とも果房被害は類似しているので、幼虫の体長、色、斑紋の有無で見分ける。両種とも幼虫の動きは非常に活発である。チャノコカクモンハマキは葉にも発生し、綴りあわせた中で食害する。
- モモノゴマダラノメイガは、糞粒を激しく排出して果軸や果粒の間に固めるので、容易に見分けることができる。幼虫が成熟すると蛹室をつくり、成虫が羽化すると果粒表面に鱗粉が付着してキラキラとみえる。幼虫の動きはやや鈍い。
- モンキクロノメイガは、果軸や果面の表皮をなめとるように食害する。通常、葉の縁を筒状に巻く被害が多く、果房被害は少ない。幼虫はSyllepte sp.と類似する。両種とも幼虫は体の表面の光沢が強く、動きが非常に活発である。
- トガリメイガ類は、果房内部にクモの巣状に細かい糸を張り、細かい糞を排出する。幼虫の動きはやや鈍い。
- ミノガ類は、果粒表面を浅く食害し、食害部にミノを形成する。ブドウオオトリバは、果粒表皮から果肉に穴をあけるように食害し、食入孔から糞を排出する。
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成果の活用面・留意点 |
- モモノゴマダラノメイガは露地ブドウ(主にピオーネ)の有袋栽培でのみ発生する。多発すると被害が大きいので、発生が多い場所では袋掛け前の防除を必行する。
- モンキクロノメイガは、露地栽培に比べ施設栽培での発生が多い。
- トガリメイガ類、ミノガ類は、局所的な発生に限られ、多発することは少ない。
- ブドウオオトリバは、山際の園で発生が多い。
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図表1 |
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カテゴリ |
病害虫
害虫
きく
くり
施設栽培
そば
農薬
ぶどう
防除
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