オカラ・廃タマネギ炭化物の肥効特性と利用法

タイトル オカラ・廃タマネギ炭化物の肥効特性と利用法
担当機関 兵庫農総セ
研究期間 2003~2005
研究担当者 永井耕介
河野 哲
吉倉惇一郎
小林尚司
渡辺和彦
牧 浩之
発行年度 2005
要約 有効なリサイクルの手だての少ない、廃タマネギ、オカラの炭化による施用効果を明らかにした。これら炭化物は窒素、リン、カリウム、カルシウム及びマグネシウム含有率が高く、木炭に期待される保水性・排水性の向上に加え肥効の期待できる炭化物となるが、窒素の可給性は極めて低い。
背景・ねらい 資源循環型社会の実現に向け、各種リサイクル法が法制化され、廃棄物の再資源化が強く求められている。兵庫県においても食品産業からオカラ(約25000t/年)が、農業からはタマネギ残さ(約13000t/年)等が廃棄物として発生し、そのほとんどはリサイクルされることなく廃棄されている。本課題ではこれら廃棄物や副産物を炭化し、肥料成分、土壌改良等の性質を解明して、農業資材としての再利用法の確立を目指す。
成果の内容・特徴
  1. オカラ、タマネギをロータリーキルン式炭化炉(500℃)、または電気式バッチ窯(400~900℃) で炭化すると、地力増進法による政令指定土壌改良資材の「木炭」と比べ窒素、リン、カリウム、 カルシウム、マグネシウム等のミネラル成分が豊富な炭化物となる(表1)。
  2. 炭化物に含まれる塩基類のpH6のリン酸緩衝液による溶出割合は、オカラ炭化物で最も多い。 次いでタマネギ炭化物、木炭の順となる。元素別ではカリウムの溶出割合が高い。またタマネギ では炭化温度が高いほど塩基類が溶出しやすい炭化物となる(表1)。
  3. これら炭化物を施用しコマツナをプランターで栽培すると100~1000kg/10aの施用により増収 し、1000kg/10aの施用で最も高い。3000kg/10aまで施用量を増やすとやや減収する。土壌への影 響も勘案すると適施用量は300~1000kg/10a程度。ほ場条件で500kg/10a施用してもコマツナは 約20%増収する(図1)。また、施用により、土壌中の可給態リン酸、交換性塩基が増加し、植物 体含有率も向上する。一方オカラ炭化物は窒素含有率が3.76%と高いが土壌中の無機態窒素、植 物体窒素含有率を増加させない(表2)。
  4. 各種炭化物中の窒素の93.9~99.6%は、可給性の低い酸不溶性の形で存在し、可給性の高い無 機態窒素は極めて少ない(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 農産・食品廃棄物のリサイクル方策として活用する
  2. 連用や施用効果の持続性など長期間の影響は現在の所不明
図表1 220105-1.jpg
図表2 220105-2.jpg
図表3 220105-3.jpg
図表4 220105-4.jpg
カテゴリ 肥料 こまつな たまねぎ 土壌改良 排水性

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる