タイトル |
タマネギ外皮からのケルセチン類抽出方法の開発 |
担当機関 |
兵庫農総セ |
研究期間 |
2001~2003 |
研究担当者 |
小河拓也
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発行年度 |
2005 |
要約 |
タマネギ鬼皮からケルセチンを含む機能性成分を抽出する方法を検討する。乾燥物を得るためには50%エタノールで抽出後、凍結乾燥する方法が効率が良い。また、水溶液として利用する場合pHが7.0を超える溶媒で抽出、利用する方法が望ましい。
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キーワード |
タマネギ、鬼皮、ケルセチン、エタノール
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背景・ねらい |
兵庫県はタマネギの大産地であり、タマネギ加工により鬼皮と呼ばれる外皮が大量に産出してくる。この鬼皮は腐敗しにくく堆肥等への利用も困難であるため、現在は産業廃棄物として処理されている。一方、この鬼皮には大量のポリフェノール類が含まれており、中でもケルセチンの含有率が多い。このケルセチンには抗酸化、毒性抑制、発ガン抑制機能など多くの機能性を有することが知られており、さらにタマネギにはアグリコンとして多く含有することから、強い機能性を有する食品素材としての利用が考えられる。そこでタマネギ鬼皮からケルセチンを含む機能性成分を効率よく抽出する方法を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- タマネギ鬼皮からケルセチンおよびケルセチン配糖体等が抽出され、ケルセチンの含有率が高い。ケルセチン類の抽出はエタノール濃度50%で最も効率が高く、99%ではほとんど抽出されない(図1)。
- ケルセチンの抽出効率は溶媒のpHにより異なる。McIlvain緩衝液pH3では抽出効率が悪く、pH7を超えると抽出効率が高くなるが、pH9と11では大きな差はみられない(図2)。
- タマネギ鬼皮のエタノール抽出液のDPPHラジカル捕捉活性はエタノール50%抽出液において最も高い(図3)。
- 原料2kgの16時間静置、1回抽出液をロータリーエバポレーターで濃縮後、凍結乾燥およびスプレードライで乾燥して抽出乾燥物を製造したところ、エタノール抽出後凍結乾燥法でのケルセチン収量が高い(表1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 抽出乾燥物は色素および抗菌物質としての利用を現在検討中である。
- 濃縮は50℃以下で行う必要がある。
- ケルセチン抽出後に鬼皮の堆肥化の可能性について検討する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
加工
乾燥
機能性
機能性成分
たまねぎ
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