近赤外分光法を用いた腹腔内脂肪量の推定方法の開発

タイトル 近赤外分光法を用いた腹腔内脂肪量の推定方法の開発
担当機関 岡山総畜セ
研究期間 2003~2005
研究担当者 荒金知宏
佐野 通
森 尚之
武縄勝浩
松馬定子
金谷健史
三津本 充
佐々木啓介
発行年度 2005
要約 近赤外分光法により鶏の腹腔内脂肪量を生体の状態で測定すると、実際の値との相関は0.7以上となり、近赤外分光法による腹腔内脂肪量の予測技術として使用できる。
背景・ねらい 近年体重を重視した選抜により、体重は増加したが腹腔内脂肪が過多になる傾向にある。肉用鶏において腹腔内脂肪は不可食部分であり、採卵鶏においては産卵数の減少と脂肪肝の原因となる。鶏をと鳥し腹腔内脂肪量の測定は可能であるが、多数の後代の鶏とコストが必要となる。そこで、近赤外分光法により直接その鶏の腹腔内脂肪量を生体で予測することにより、後代からデータを取得することなく、効率的に腹腔内脂肪の少ない鶏を選抜する。
成果の内容・特徴
  1. 6~8週齢のロードアイランドレッド(RIR)240羽と横斑プリマスロック(BP)241羽を用いる。
  2. ポータブル分光分析装置(フルーツテスター20:FTー20),を用い600~1000nmの拡散反射スペクトルを測定する(図1)。スペクトルを測定後、開腹し腹腔内脂肪重量を測定する。
  3. 一羽あたりの測定時間は数秒である。
  4. スペクトルは前処理として乗算的散乱因子の除去後、2次微分しPLS回帰分析を行う。
  5. 回帰分析により、偏回帰係数はRIR、BPともに760nm、928nmで大きくなり水分と脂肪の波長をとらえている(図2)。また、腹腔内脂肪量の実測値と近赤外分光法による予測値の相関係数はRIRで0.77、BPで0.82となる(図3)。また、予測標準誤差はRIRで1.26、BPで2.92になる。
成果の活用面・留意点
  1. FT-20を用い、PLS回帰分析を行うことで6~8週齢のRIRとBPについて生体で腹腔内脂肪量が推定できる。
  2. 近赤外分光法を用いた腹腔内脂肪量の推定方法は改良のための手法として利用することができる。
  3. 測定時には、羽毛による光の散乱・吸収をさけるため、羽毛を除去する必要がある。
図表1 220215-1.jpg
図表2 220215-2.jpg
図表3 220215-3.jpg
カテゴリ コスト

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