タイトル |
実エンドウの夏まき年内どり栽培における播種適期 |
担当機関 |
和歌山農技セ |
研究期間 |
2004~2005 |
研究担当者 |
東 卓弥
西森裕夫
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発行年度 |
2006 |
要約 |
実エンドウの夏まき年内どり栽培における播種適期は、「紀の輝」、「きしゅううすい」ともに 8月9日~12日であり、上物収量は10a当たり700~1000kgである。高温期の花は落花し着莢しないため、 収穫時期は10月中旬からとなる。
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キーワード |
実エンドウ、夏まき年内どり、播種時期、収量
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背景・ねらい |
これまで和歌山県北部地域における実エンドウ栽培は露地秋まき春どり栽培が中心で、収穫期間が 短く、栽培面積と出荷期間の拡大が望まれてきた。ここでは和歌山県産実エンドウの主要品種である 「きしゅううすい」と「紀の輝」の露地夏まき年内どり栽培における播種時期が生育・収量に及ぼす影響を 明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 収量は、「きしゅううすい」、「紀の輝」ともに8月9日~12日播種が最も多く、10a当たり 700~1000kgで、この時期より播種が早くても遅くても減収する。上物率は播種時期が遅くなるほど高い。 8月12日に播種した場合、上物莢の約80%が11月中旬を中心とした約30日間に収穫される。本作型の 収穫期間は降霜までであるため、播種時期が遅くなるほど収穫始期が遅れ収穫期間が短くなる (図1、図2)。
- 開花時期は播種時期が早いほど早く、「きしゅううすい」より「紀の輝」の方が早い。 「紀の輝」では高温期の花は落花するため、着莢節位が高くなり播種時期に関わらず収穫時期は 10月中旬からとなる。「きしゅううすい」では開花時期が遅いため落花が少ないが、8月12日以降の 播種では播種時期が遅くなるほど収穫時期は遅くなる(表1)。
- 9月25日頃までに開花した花の多くが落花するため、着莢には最高気温30℃以下、最低気温20℃以下と なることが望ましい(図3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 「きしゅううすい」は開花節位の低下を図るため、吸水後種子低温処理(2℃、20日間)を行うか、 3~8葉期に16時間日長の長日処理を行う。「紀の輝」では、開花促進処理は不要である。
- 本作型では、低節位からの分枝が非常に少ないため、種子を10a当たり5~6L(30粒/畦長1m) 用意し、茎数確保(25本/畦長1m)に努める。
- 本作型では、土壌の昇温防止と乾燥防止のため白黒マルチ被覆とする。また、降雨が少ない場合は 乾燥防止のため潅水チューブで適宜潅水を行う。
- 本作型の導入にかかる経費は10a当たり15万円程度(販売経費・労賃は除く)で、粗収益は 65万円程度である。
- 本成果は、和歌山県北部地域の平坦地~中間地の結果である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
乾燥
出荷調整
播種
品種
実えんどう
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