タイトル |
ナスの加熱による抗酸化能およびクロロゲン酸の変動 |
担当機関 |
愛媛農試 |
研究期間 |
2005~2008 |
研究担当者 |
石々川英樹
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発行年度 |
2006 |
要約 |
ナスの熱湯抽出液を再加熱することにより、DPPHラジカル消去能が高まる。HPLC分析から加熱によって クロロゲン酸濃度は減少する一方、成分濃度が増加する大小2つのピークが観察される。大きいピークBを 示す成分にラジカル消去能が認められる。
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キーワード |
ナス、加熱、ラジカル消去能、HPLC、クロロゲン酸
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背景・ねらい |
ナスは、果実に含まれるナスニンやクロロゲン酸によって、ラジカル消去能の比較的高い野菜の一つで ある。ヒトがナスを摂取する際、多くは加熱による調理が行われる。そこで、加熱処理を行った場合の ラジカル消去能を評価するとともに、加熱による抗酸化物質の変動を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 外果皮を除く、ナス果肉部を沸騰水中に1分程度浸漬して得られた熱湯抽出液を、3分~9分間 沸騰水浴により再加熱すると、抽出液のDPPHラジカル消去能は加熱時間が長いほど高くなる傾向が 見られる(図1)。
- ナスの熱湯抽出液を10~20分間再加熱してHPLCで分析すると、熱湯抽出液ではほとんど 認められないピークAが出現するとともに、ピークBの面積が大きくなる(図2)。
- 熱湯抽出液を再加熱する場合、加熱時間が長いほどHPLCで検出されるAおよびBのピーク面積は 大きくなり、C(クロロゲン酸)のピーク面積は小さくなる(図3)。
- 分取クロマトにより精製した大きいピークBの成分に、DPPHラジカル消去能が認められる(図4)。
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成果の活用面・留意点 |
- ナスの加熱調理による、機能性強化技術の検討に活用できる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
機能性
なす
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