| タイトル |
葉にエタノール液をつけて潅水要否を判断する大豆サチユタカの簡便な潅水指標 |
| 担当機関 |
広島農技セ |
| 研究期間 |
2003~2005 |
| 研究担当者 |
下澤秀樹
保科亨
上藤満宏
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| 発行年度 |
2006 |
| 要約 |
大豆の水ストレスを上位葉の葉裏中央部にエタノール液を付着させ気孔開度を測定して把握する。サチユタカの場合、開花時期・莢伸長時期では90%エタノール液が、子実肥大時期では85%エタノール液が浸潤しなくなったときに潅水が必要である。
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| キーワード |
大豆、サチユタカ、潅水、水ストレス、気孔開度、エタノール、浸潤
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| 背景・ねらい |
大豆作では夏季の水分不足により収量および品質の低下が発生する。そこで、大豆の気孔開度をエタノール液を用いて測定することにより水ストレスを的確に把握し、潅水の要否を判断する簡便な指標を作成する。
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| 成果の内容・特徴 |
- ポット試験では、エチレングリコールとイソブチルアルコールの混合液を利用した浸潤法による気孔開度の測定で、気孔開度が開花時期に3未満、子実肥大時期に4未満に低下すると減収する。また、莢伸長時期に気孔開度が4未満に低下すると莢先熟が発生する(図1)。圃場試験では、気孔開度が開花時期に4未満、子実肥大時期に5未満に低下すると減収する(データ略)。これらのことから、水ストレスによる減収と莢先熟の発生を抑制するためには、大豆の気孔開度を開花時期・莢伸長時期には4以上、子実肥大時期には5以上に保つ必要がある。
- エタノール液がエチレングリコールとイソブチルアルコールの混合液の代替液として使用できる。気孔開度が4未満に低下すると90%エタノール液(無水エタノール:水=90:10)が、5未満に低下すると85%エタノール液(同=85:15)が気孔に浸潤しなくなる。したがって、開花時期・莢伸長時期には90%エタノール液、子実肥大時期には85%エタノール液を気孔開度の測定に使用する(データ略)。
- 気孔開度の測定は、1)晴天日の15:00前後に圃場の中で乾燥している場所の中庸な10個体を選び、2)開花時期では前半1週間は上位第3葉、後半1週間は上位第2葉、莢伸長時期・子実肥大時期では上位第1葉の頂小葉を用い、3)葉裏中央部の中央葉脈付近(図2)に液を付着させて行う。
- 病害虫の被害や傷のない健全な葉を使用し、液は綿棒にしみ込ませて葉に静かに付着させる。液が浸潤した部分は瞬時に緑色が濃くなる。液を付着させた部位の一部分でも色が濃くなれば(図3中)浸潤したと判定する。
- 気孔開度の測定は土壌表面が乾いてきたら開始する。液を付着させた部位の大部分の色が濃くなる状況(図3左)では水ストレスがなく、5日に一回程度の測定で良い。液を付着させた部位のほんの一部しか色が濃くならない状況(図3中)では水ストレスの発生が始まっているので、連日測定を行う。
- 測定10個体中1個体でも液が浸潤しない個体(図3右)が発生したら潅水を行う。
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| 成果の活用面・留意点 |
- 本指標はサチユタカの一般的な作型において適用可能である。品種が異なる場合、また、晩播や密植により草型が異なる場合は確認が必要である。
- エタノール液は揮発性であるため、新しく作成した混合液を用いる。また、密閉できる容器に入れて持ち運び、調査中は容器のフタを開けたままにしないよう注意する。
- 葉に液を付着させる際、綿棒を葉にこすりつけると葉を傷つけて正確な測定ができないので注意する。
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| 図表1 |
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| 図表2 |
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| 図表3 |
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| カテゴリ |
害虫
乾燥
大豆
品種
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