タイトル |
トビイロウンカの翅型決定要因の性差 |
担当機関 |
九州農業試験場 |
研究期間 |
1997~2001 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
1997 |
要約 |
トビイロウンカの翅型発現性に及ぼす幼虫期の環境要因は雌雄間で異なり,雌では餌条件が,雄では密度が重要な要因である。
|
背景・ねらい |
トビイロウンカの翅型には長翅型と短翅型の2型があり,雌では密度が高くなるにつれて短翅型率が単調減少し,雄では中間密度で短翅型率がピークになる反応を示す。また,トビイロウンカの翅型発現性は密度や餌条件の影響を受けることが知られているが,従来の実験では両者の影響を分離して測定していなかった。そこで,諸岡(1992)によって作出された遺伝的に均一な材料を用いて密度と餌条件の影響を個別に測定する。
|
成果の内容・特徴 |
- 餌の交換間隔を長くすることによって雌では短翅型率が低下するが,雄ではその傾向は認められない(図1)。
- 3齢幼虫期の一時的絶食処理によって雌では短翅型率が低下するが,雄では低下しない(図2)。
- 1~2齢幼虫期の触角削除は雄の短翅型率を高めるのに対し,雌の短翅型率には影響しない(図3)。
- すなわち,トビイロウンカの翅型発現性に及ぼす幼虫期の環境要因は雌雄間で異なり,雌では餌条件が,雄では密度が重要な要因である。
|
成果の活用面・留意点 |
- 発生予察の精度向上にとり重要な知見となる。
- トビイロウンカの雌の翅型が餌条件の影響を強く受けることが解明されたので,翅型の制御による防除法の開発が可能となる。
|
図表1 |
|
図表2 |
|
図表3 |
|
カテゴリ |
病害虫
防除
|