キク親株のロックウール耕による採穂期間の拡大と穂の収量性、生産費

タイトル キク親株のロックウール耕による採穂期間の拡大と穂の収量性、生産費
担当機関 福岡県農業総合試験場
研究期間 1997~1998
研究担当者 小林泰生
松井洋
谷川孝弘
國武利浩
発行年度 1998
要約 キクの親株をロックウール耕で養成することにより、慣行の土耕と比較して圃場1平方メートル当たり採穂数が1.4~1.7倍に増加する。また、「秀芳の力」では採穂開始から3カ月後でも苗質の低下が小さいことから、親株からの採穂期間の拡大が可能である。1穂当たり生産費は、8カ月間採穂する場合には6.3円で慣行とほぼ同じである。
背景・ねらい 電照ギクの苗生産は、切り花生産者が専用親株を養成し、品種や作型に応じて摘心、採穂することによって行われている。しかし、慣行の土耕による苗生産では、親株1作当たりの採穂時期や期間が春夏季の2~3カ月間に限定されることや、親株養成から育苗までの労働時間が総労働時間の10%を超えることが経営規模拡大の制限要因の一つとなっている。そこで、秋ギク「秀芳の力」と夏秋ギク「精雲」について、長期間採穂が可能な親株養成技術を確立するため、ロックウール耕による穂の収量性、苗定植後の生育および穂の生産費を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 電照ギクの親株をロックウール耕で養成することにより、圃場1平方メートル当たり採穂数は慣行の土耕と比較して「秀芳の力」では約1.7倍、「精雲」では約1.4倍に増える。特に、「秀芳の力」では採穂開始後の7月と低温期に向かう10月に、また「精雲」では5月に採穂数が多くなる(図1)。
  2. 「秀芳の力」の親株のロックウール耕で得られた苗の生育は、露地土耕に比べて7、8月採穂では差がないが、採穂期間が2カ月を超える9月下旬採穂では草丈が長く、茎葉重が重く、苗質が良い(表1)。一方、「精雲」ではロックウール耕と施設土耕の苗では生育に差がない(データ略)。
  3. 「秀芳の力」の親株をロックウール耕で養成した場合の1穂当たり生産費は、露地土耕と比較して、採穂期間が6カ月(5~10月採穂)では7.8円とやや高いが、8カ月(5~12月採穂)では6.3円に低下し同等である(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 電照ギク産地における苗の省力、大量生産のための技術資料として活用する。
  2. キク親株のロックウール耕により苗生産の分業化が図られ、育苗労力の削減が可能となる。
  3. 「精雲」のロックウール耕による同一親株からの採穂期間は3カ月が限度である。
図表1 220913-1.gif
図表2 220913-2.gif
図表3 220913-3.gif
カテゴリ 育苗 きく 規模拡大 経営管理 栽培技術 品種

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