| タイトル |
活性汚泥法と膜分離法を組合せたミルキングパーラ排水処理装置の汚水浄化能力 |
| 担当機関 |
福岡県農業総合試験場 |
| 研究期間 |
1999~1999 |
| 研究担当者 |
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| 発行年度 |
1999 |
| 要約 |
活性汚泥法と膜分離法を組み合わせた汚水処理装置によるミルキングパーラ排水の汚水浄化では、処理水の色は黄褐色・透明で透視度50以上、BOD、SS、TーNはそれぞれ20mg/l、10mg/l、50mg/l以下で良く浄化され、曝気槽内の水温が低い冬季でも汚水浄化能力の低下は認められない。福岡県農業総合試験場・畜産研究所・中小家畜部・環境衛生研究室
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| 背景・ねらい |
県内のフリーストール方式の酪農家(飼養規模:成牛150頭、育成牛60頭)に、活性汚泥法と中空糸外圧型膜ユニットを組み合わせた汚水浄化処理装置が新設された。フリーストール方式の酪農家は増加しており、水質規制の強化と相まって同様なミルキングパーラ排水処理装置の導入が増加するものと思われるため、本装置の汚水浄化能力を明らかし、施設導入に当たっての資料とする。
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| 成果の内容・特徴 |
- 活性汚泥法ではMLSS(曝気槽内の活性汚泥浮遊物質)濃度を3,000~6,000mg/l程度に維持管理しながらの汚水浄化処理が一般的である。しかし、この排水処理装置は曝気槽の活性汚泥液中に中空糸膜(透過孔径0.1μm、糸の内径0.3mm、膜面積20m2)を浸漬させ、外圧型膜ユニットで汚泥と浮遊物の分離が行われる(図1)。このため、MLSS濃度が12,000mg/lと高濃度の場合でも、汚濁物質を除去できる(表2)。
- 曝気槽内のBOD(生物化学的酸素要求量)容積負荷は、0.2~0.3kg/m3/日で、溶存酸素は適量の1mg/l程度に保たれており、適正に維持されている(表1)。
- 原水を浄化処理した処理水のBOD、COD(化学的酸素要求量)、SS(浮遊物質)T―N(全窒素)はそれぞれ約12mg/l(除去率97%)、20mg/l(95%)、7mg/l(99%)、24mg/l(90%)で良く浄化されており、水温が低い冬季でも汚水浄化能力の低下は認められず、水質汚濁防止法の畜舎排水規制値以下である。また、汚水の色や透視度も顕著に改善される(表2)。
- 成牛150頭、育成牛60頭規模におけるミルキングパーラ排水処理装置のイニシャルコストは27,810千円(成牛1頭当たり約185千円)、ランニングコストは約434千円/年(36千円/月)、成牛1頭当たりでは約2.9千円/年(240円/月)である(表3)。
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| 成果の活用面・留意点 |
- 同様の排水処理施設が導入される場合の資料として活用する。
- 処理水は牛の待機場や通路の洗浄用水として再利用できる。
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| 図表1 |
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| 図表2 |
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| 図表3 |
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| 図表4 |
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| カテゴリ |
コスト
乳牛
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