近赤外分光分析計による豚ぷん堆肥及び鶏ふん堆肥成分の迅速定量技術

タイトル 近赤外分光分析計による豚ぷん堆肥及び鶏ふん堆肥成分の迅速定量技術
担当機関 宮崎県畜産試験場
研究期間 2000~2000
研究担当者 東政則
藤井真理
古澤邦夫
須崎淑恵
発行年度 2000
要約 近赤外分光分析計(NIR)を用いて、豚ぷん堆肥の全窒素・灰分、鶏ふん堆肥の全窒素・有機炭素・灰分の含量を迅速に推定可能である。宮崎県畜産試験場・飼養部・飼料草地科
背景・ねらい 良質堆きゅう肥の生産と利用促進のためには、堆きゅう肥の成分や品質を明らかにする必要があるが、通常の化学分析では長い期間と高い費用を要する。そこで、迅速で低コストな分析が可能である近赤外分光分析計による分析技術開発を行った。平成9年度から牛ふん堆肥と混合ふん堆肥について開発を進めたが、今年度は豚ぷん堆肥と鶏ふん堆肥について実施した。
成果の内容・特徴
  1. 近赤外分光分析計はNIRSystem社製NIRS6500でソフトウエアーは「NSAS」を使用し、標準回帰法により検量線を作成している。
  2. 開発した検量線は、豚ぷん堆肥においては、全窒素、有機炭素、CN比、灰分、リン酸、加里、石灰、酸化ナトリウムが、鶏ふん堆肥においては、水分、全窒素、有機炭素、CN比、灰分、石灰、CECが、相関係数(r)が0.8以上である。
  3. 検量線の検証では、豚ぷん堆肥においては、全窒素、有機炭素、CN比、灰分、リン酸、加里、酸化ナトリウムがrが0.8以上となり、この中で評価指数(EI値)が利用可能範囲とされる37.4%以下となった成分は全窒素、有機炭素、灰分、リン酸、酸化ナトリウムである。一方、鶏ふん堆肥においては、水分、全窒素、有機炭素、灰分、リン酸、石灰、苦土、酸化ナトリウム、CECがrが0.8以上となり、EI値は、検証したすべての成分が37.4%以下である。
  4. 豚ぷん堆肥と鶏ふん堆肥の全窒素、有機炭素、灰分については、誤差は小さく化学分析値に近い。その他の成分については誤差が大きく、参考値程度の評価としている。
  5. 豚ぷん堆肥の有機炭素とCN比については、rが0.93と高く、相対誤差も小さいことから、高い精度で推定可能と考えられるが、検証用サンプル数が少ないことから参考値程度の評価としている。
成果の活用面・留意点
  1. 近赤外分光分析計による推定値は施肥設計や品質管理の参考値として利用でき、良質堆きゅう肥の生産と利用促進に貢献できる。
  2. 近赤外分光分析計による推定値は化学分析より精度が劣るので、売買や譲渡、表示、提出資料、証明、訴訟などの取引上の資料としては利用できない。
図表1 221434-1.jpg
図表2 221434-2.jpg
カテゴリ 肥料 施肥 低コスト 分析技術

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