タイトル | オオムギ縞萎縮病抵抗性に関する量的形質遺伝子座近傍RFLPマーカー |
---|---|
担当機関 | 九州沖縄農業研究セ |
研究期間 | 1996~2000 |
研究担当者 |
伊藤一敏 宮崎力 佐藤和広 佐伯知勇 小山内英一 小西猛朗 齋藤彰 |
発行年度 | 2001 |
要約 | 中国在来オオムギ木石港3が持つ縞萎縮病抵抗性に関する量的形質遺伝子座(QTL)を染色体3HL、4H及び7HS上に検出した。それらの近傍のRFLPマーカーは抵抗性遺伝子集積に利用できる。 |
キーワード | オオムギ、木石港3、縞萎縮病抵抗性QTL、RFLPマーカー |
背景・ねらい | 全てのオオムギ縞萎縮病ウイルス系統に対して抵抗性を示す中国在来木石港3由来の抵抗性は複数遺伝子が関与し、その内rym5はエステラーゼを分子マーカーとして育種選抜されてきた。しかしその他の抵抗性遺伝子座の分子マーカーは開発されていない。そのため、すでに開発されたオオムギRFLPマーカーを用いて、複数遺伝子を量的形質遺伝子座(QTL)分析し、それらに近接するRFLPマーカーを探索する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 「木石港3」が持つオオムギ縞萎縮病抵抗性に関する量的形質遺伝子座(QTL)について、すでにアイソザイムマーカー(Est1)で染色体3HL上にマップされていたrym5に対応するQTL-rym5はMWG85A-ABC172A間に、形態遺伝子(Kap, glf3)でマップされていたrym1に対応するQTL-rym1は染色体4H上のMWG2134-WG464A間に位置づけられる。さらに7HS上に表現分散中の寄与率20~25%を示す新たなQTL-tがJBG235-JBG209間に位置づけられる。 2. 3種類のQTLの遺伝効果はQTL-rym5が9.2~13.3%, QTL-rym1が35.4~38.1%, QTL-tが20.1~25.3%、また3種類を合わせて55~57%の寄与率を示す。 3. RFLPマーカーの検出は、オオムギ個体からCTAB法で抽出したゲノムDNAを制限酵素で消化し、5μg/レーンに対してRFLPマーカーDNAを非アイソトープ標識(DIG)したプローブでサザンハイブリダイゼーションすることにより分析可能。 4. RFLPマーカーと、ウイルス抵抗性(量的形質)との分離を遺伝子連鎖分析する際に はMAPMAKER/QTL ver.1.1を用い、最小LODを2.5と設定してQTLを検出する。 |
成果の活用面・留意点 | 1. QTLの近傍RFLPマーカーを用いて木石港3由来のオオムギ縞萎縮病抵抗性遺伝子集積できる。 2. 近傍RFLPマーカー分譲は九州沖縄農業研究センターが行う。 3. 近傍RFLPマーカーの実用にあたっては、育種母本におけるRFLP検定が必要。 |
カテゴリ | 育種 萎縮病 大麦 抵抗性 抵抗性遺伝子 |