タイトル | 茎の太さを揃えるための簡易標本 |
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担当機関 | 熊本農研セ |
研究期間 | 1999~2000 |
研究担当者 |
田中伸昭 澤田倫平 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 高品質畳表に求められるイグサ茎の太さの変動係数は9%以下である。その変動係数を簡易的に判断するために作製した切断面標本は、製織前の選り出し指標として有効である。 |
キーワード | イグサ、畳表、茎の太さ、変動係数 |
背景・ねらい | 本県では、安価な中国産畳表の輸入増加に伴う価格低迷が続いており、その対策の一つである高品質化への取り組みが急務となっている。 そこで、高品質畳表に求められる茎の太さの揃いの程度を明らかにして、その生産を目標とした加工指針を作成し効果を確認する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 高品質畳表に求められる茎の太さの変動係数は9%以下である(図1)。 2. 選り出す前の茎の太さの変動係数により、それを9%以下にするための太い及び細い茎の除去割合が決定される(図2)。 3. イグサ茎の太さの揃いは、茎の束の切断面の観察により判断できるため、太さの変動係数が既知の切断面をその簡易測定標本とする(図3)。 4. 以上のことから、切断面標本を用いた高品質畳表生産加工指針は以下の通りである。 (1) 製織を行うイグサ150本の束を、根元から50cmの箇所で切断し、根元側、先端側いずれかの切断面を供試材料とする。 (2) その切断面と標本を比較して、茎の太さの変動係数を確認し、以下の方法で除去本数(割合)を求める。 ア. 変動係数が、9%以下の場合 太さの揃いは良好と判断し、慣行方法に準じる。 イ. 変動係数が、9%~10%の場合 太い及び細いイグサを2~3本ずつ除去し、9%標本と同程度になるまでの除去本数(割合)を求める。 ウ. 変動係数が、10%以上の場合 前述図2から求められる除去割合を参考にして除去を行い、9%標本と同程度になるまでの除去本数(割合)を求める。 (3) 前述(2)で求めた除去割合を基にして、実際の製織作業で選り出しを行う。 5. 高品質畳表生産加工指針に従って加工した畳表は、通常行っている方法と比較して茎の太さの揃いが良好となり、品質が向上した(図4)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 変色茎の選り出しは、通常通り行う。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | いぐさ 加工 簡易測定 |