タイトル | 分げつ期の多雨による小麦の収量・品質低下と対応技術 |
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担当機関 | 福岡農総試 |
研究期間 | 1999~2000 |
研究担当者 |
福島裕助 内川修 大賀康之 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 小麦の分げつ期の多雨(300mm以上)によって、土壌中の無機態窒素が溶脱するため、茎数の増加が抑えられ、有効穂数が減少して収量が低下する。この場合、第2回追肥を窒素量で10a当たり4kg施用すると減収を抑えることができる。 |
キーワード | 小麦、分げつ期、多雨、無機態窒素、追肥 |
背景・ねらい | 小麦の民間流通に伴って、これまで以上に高品質安定生産が求められるようになっている。一方、小麦の収量及び品質は気象条件に左右されやすく、平成10年産のように、生育期間中、特に小麦の分げつ期である1~2月の降水量(297mm)が著しく多く、茎数および穂数が確保されずに低収となる年次がある。 そこで、分げつ期の多雨が小麦の収量・品質に及ぼす影響を明らかにし、それに対応した施肥技術を確立する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 小麦の分げつ期の多雨によって、土壌中の無機態窒素が溶脱する(表1、表2)。 2. 分げつ期に降雨量が300mm以上になると、茎数の増加が抑えられ、窒素吸収量や有効穂数が減少するため収量が低下する。また、原麦のタンパク質含有率も低下する(表3、表4)。 3. 多雨に対応する施肥技術として、第2回追肥(3月上旬)の10a当たり窒素量を施肥基準より2kg増肥して4kgにすると、有効穂数が確保され、減収率を3~10%に抑えることができる。さらに、原麦のタンパク質含有率が増加する(表4)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 小麦の生育初期の多雨条件下における栽培技術として活用できる。 2. 第2回追肥を増肥することによる成熟期の遅れは1日程度である。 3. 排水が良好な砂壌土の麦圃に適用できる。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 小麦 栽培技術 施肥 |