タイトル |
おがくず牛糞堆肥を施用したタマネギの減肥と特別栽培に準じた施肥 |
担当機関 |
佐賀上場営農セ |
研究期間 |
2002~2006 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2007 |
要約 |
堆肥連用圃場で、おがくず牛糞堆肥5t/10a施用すれば被覆尿素を用いてリン酸、カリを無施肥、窒素施肥量を3割減肥しても慣行施肥(26.8kg/10a)と同等の収量、品質が得られる。さらに、減肥とともに化学肥料窒素を慣行の5割以下にしても同等の収量が得られる。
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キーワード |
タマネギ、おがくず牛糞堆肥、減肥、特別栽培
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背景・ねらい |
佐賀県北部の畑作地帯では肉用牛の飼育が多く、堆肥を積極的に利用するため、タマネギ栽培の堆肥施用量は5t/10a以上と多い。しかし、施肥量は県基準相当量のため土壌養分の蓄積が問題である。そこで、堆肥施用に応じた施肥技術が必要となっており、おがくず牛ふん堆肥を利用した場合の窒素減肥量を明らかにするとともに、化学肥料の窒素を慣行の5割以下とする特別栽培の実用性を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- タマネギ栽培において、おがくず牛糞堆肥を5t/10a施用すれば、被覆尿素を用いてリン酸、カリを無施用とし、窒素施肥量を3割減肥(18.8kg/10a)しても、堆肥5t/10a施用の慣行施肥(26.8kg/10a)と同等の収量、球部窒素、球径比が得られ、貯蔵性も同等以上になる(図1、表1)。
- 堆肥5t/10aと、リン酸、カリを無施用として被覆尿素を用いることで、窒素、リン酸、カリの推定施肥量(堆肥の化学肥料養分相当量+肥料の施肥量)は、県基準の堆肥3t/10a施用の慣行施肥と同程度になり(表2)、収穫終了時の土壌中の有効態リン酸と交換性カリは堆肥無施用慣行施肥と同程度になる(表3)。
- 施肥量を3割減肥するとともに、特別栽培に準じた化学肥料由来窒素を慣行施肥の5割以下にした特別栽培施肥(化学肥料12.5kg/10a、有機質肥料6.3kg/10a)は、堆肥施用の慣行施肥と同等の収量が得られる(図2)。
- 減肥・特別栽培施肥の肥料コストは12,800円/10aであり、慣行施肥の14,900円/10aと同程度である(減肥・特別栽培施肥:LP30日(29.76kg/10a)4,848円+マンモス有機(89.43kg/10a)7,919円、慣行施肥:マルチエース(140kg/10a)12,425円+タマネギエース(40kg/10a)2,486円)。
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成果の活用面・留意点 |
- 本成果は九州北部の玄武岩土壌畑地の中晩生タマネギのマルチ栽培で得られた。
- おがくず牛糞堆肥の化学性は表4に示すとおりである。
- 本成果は1997~2001年にかけて堆肥を毎年5t/10a施用しタマネギを栽培した堆肥連用圃場で得られたものである。
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図表1 |
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カテゴリ |
土づくり
肥料
コスト
施肥
たまねぎ
肉牛
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