タイトル |
水稲新品種候補系統「ふ系168号」の育成 |
担当機関 |
青森県農業試験場 |
研究期間 |
1994~1994 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1994 |
要約 |
「ふ系168号」は寒冷地北部で早生に属する粳種である。耐冷性、いもち病抵抗性が強く、良質で、この熟期としては良食味である。平成7年度より青森県で奨励品種に採用される予定である。
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背景・ねらい |
寒冷地北部及びこれより以南の中山間地帯では、近年頻発する冷害により大きな被害を受けている。青森県の早生品種「キタオウ」は登熟性に優れた多収品種であるが、耐冷性が不十分であるため作付面積は減少し、中生品種「むつほまれ」が適地でない早生品種栽培地帯に作付されており、これが冷害年における作柄を一層悪化される要因となっている。そのため、「キタオウ」より耐冷性が強く、品質・食味が優れた早生品種の育成を目標に交配、選抜を進めてきた。
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成果の内容・特徴 |
- 「ふ系168号」は、1987年青森県農業試験場藤坂支場において「ふ系115号/奥羽321号」のF1を母とし、「キタオウ」を父として交配し育成された。
- 「ふ系168号」は、出穂期、成熟期が「キタオウ」より1日程度遅い早生に属する。
- 耐冷性は「キタオウ」より明らかに強く“極強”である。
- 収量性は「キタオウ」並である。
- いもち病抵抗性遺伝子はPi-a、Pi-kを有し、圃場抵抗性は葉いもち、穂いもちとも“極強”である。
- 外観品質は「キタオウ」並であり、食味は「キタオウ」より優れる。
- 平成7年度より青森県で奨励品種に採用される予定である。
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成果の活用面・留意点 |
- 耐倒伏性は十分ではないので、品質・食味の低下を防ぐためにも多肥栽培は避ける。
- 耐冷性は“極強”であるが、低温時には深水潅漑で幼穂を保護する。
- 穂発芽性は“やや易”なので、適期刈り取りにより品質の低下を防ぐ。
(表1)
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図表1 |
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カテゴリ |
いもち病
新品種
水稲
中山間地域
抵抗性
抵抗性遺伝子
凍害
品種
良食味
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