タイトル |
水稲種子自動コーティング装置 |
担当機関 |
生物系特定産業技術研究推進機構 |
研究期間 |
1997~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
水稲種子にコーティング資材(酸素発生剤)を自動でコーティングする装置である。均一な仕上がりで安定したコーティングができ、作業能率の向上、作業環境の改善や労働負担の軽減をはかることができる。
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背景・ねらい |
現行の水稲種子コーティング作業は、回転する傾斜ドラムの中で種籾を渦状に流し、そこへコーティング資材(酸素発生剤)と水を噴霧して供給する方法で行われるが、手作業のため仕上がりが作業者の熟練度に左右されることや、塵埃の多い環境下で作業しなければならない問題もある。そこで、自動でコーティングを行うことのできる装置を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 傾斜ドラムの回転、ホッパ下方のスクリュコンベヤによるコーティング資材の間欠的定量繰出し、水の定圧噴霧を、シーケンスコントローラに記憶されたプログラムによって行う自動コーティング装置である(図1、図2)。
- 開発した装置の特徴は以下のとおりである。
①コーティング種子1粒質量のばらつきは、現行装置では作業者の熟練度によって大きく異なるが、開発装置では安定して小さく、高精度な作業ができる(図3)。 ②一人作業時の乾籾10㎏当たり作業時間(浸漬種籾の脱水、コーティング種子の陰干し、袋詰め等の付帯作業を含む)は、2倍重(乾籾と酸素発生剤の質量比、1:2)で15分、1倍重(1:1)で11分で、付帯作業をコーティング作業と並行して行えること、乾籾投入量が現行装置より多いことから、現行装置の約半分となる(表)。 ③ドラム側面に設けたシャッタ式排出口が排出しやすい位置で自動停止するので、コーティングの終了した種子を速やかにかつ楽に排出できる。 ④装置をカバーで被ったため、装置周辺への塵埃の飛散が少ない(図1)。 ⑤運転モードを切替えることにより、1回のコーティング量を、2倍重で乾籾15kg又は10kg、1倍重で乾籾20kg又は15kgの4通りに変えることができる。
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成果の活用面・留意点 |
- 高性能農業機械実用化事業に移行し、市販化が予定されている。
- 投入する乾籾の質量を正確に計量する必要がある。
- 浸種日数などによって所要噴霧水量がやや異なるので、1回目の作業時にコーティング状態を見ながら噴霧圧力を調整する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
市販化
水稲
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